プロジェクトの遅延やトラブルを未然に防ぐミーティング方法

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執行役員 / コンサルタント 今西 毅寿

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ベイジでは、進行しているプロジェクトの進捗状況を確認するために、毎週金曜日に30分程度のプロジェクトミーティングを実施している。各プロジェクトの進捗状況を共有すると同時に懸念事項がないかも確認しているので、スケジュールに無理が生じていればすぐに調整する場として機能している。

しかし、ここ1~2年は社員数の増加もあり、いくつか課題も出てくるようになった。今年に入ってからプロジェクトミーティングの実施方法を変更したので、これまでの問題点や感じているメリットなどをまとめておきたい。

これまでのミーティング方法

以前のプロジェクトミーティングは、まだ社員数が4~5人の頃に始めた方法であり、進行中のプロジェクト数もそこまで多くはなかった。

ベイジでは定期的にワークフローの見直しをしているが、プロジェクトごとに戦略から設計、制作、テスト、納品までのタスクを140程度のタスクに分解し、Googleスプレッドシートで作成したプロジェクト管理シートを使い、タスクの抜け漏れが起きてないか、進捗は何パーセント程度かを確認している。
参考)ベイジのweb制作ワークフロー2018(140のタスクと解説)

しかし、社員数も16名ほどに増え、同時並行で進めているプロジェクト数も大小合わせて20件程度になっており、全てのプロジェクトを順番に確認していくとミーティング時間が延びてしまう状態にあった。

また、デザイナーやエンジニアの立場からすると、自分が直接的に関与していないプロジェクトの話を聞いている時間も長くなり、質問や不安を感じることがあったとしても、意見を言いにくいのではと感じていた。

変更した方法と感じているメリット

上記のことから、全員が集まってプロジェクト管理シートを確認する方法は止めて、 ディレクター主導でプロジェクトの関係者のみを集め、 進捗状況や懸念事項を確認する方法に変更した。

社員数が多い会社であれば、必然的に全員が集まることは難しいため、プロジェクトごとに進捗確認をしているケースの方が多いだろう。以前のやり方は、まだ社員数が少なかったからこそ成立していた部分もある。

ミーティングで確認しているポイントは以下のような点だ。

  • 意図せず抜け漏れしているタスクがないか?
  • 各タスクは何パーセント程度進んでいるのか?
  • 作業担当者が曖昧なタスクはないか?
  • 特定の担当者に作業が集中しすぎていないか?
  • トラブルに繋がりそうな懸念事項はないか?
  • 懸念事項に対して取るべきアクションは何か?

変更して良かったと感じるのは、 プロジェクトに直接関わる3~4名で実施することで議論がしやすい雰囲気になり、以前に比べると明らかに質問や懸念事項などがあがるようになったことだ。

参加する意識としても、ディレクターの説明を受け身で聞くのではなく、自分ごととして捉え考えてくれるメンバーが増えたように感じている。

ディレクターの立場からしても、プロジェクトごとにじっくりと進捗確認をすることができるので、社内で進行しているプロジェクト全体を見たときに優先すべき事項を共有したり、リスクを感じた際にすぐ対応策を指示したりとリカバーがしやすくなった。

なお、最近ではリモートワークをしているメンバーもいるなかで、うまく機能するかの不安も感じていたが、オンラインミーティングのツールでプロジェクト管理シートやWBS(スケジュール)を画面共有しながら実施することで、問題なく共有することができた。

一方で懸念事項としては、 自分が関与していないプロジェクトの進捗状況が以前に比べると分かりにくくなったことだ。ディレクター陣のなかでは、現在どのようなプロジェクトが進行しているか、遅延や懸念事項がないか等は、随時社内のチャットで共有をしているので、ある程度は把握していくことができる。

しかし、デザイナーやエンジニアの場合、進行している全プロジェクトの進捗状況や、特定のメンバーがひっ迫した事態になっていないか等が見えにくくなった部分があるかもしれない。

週次のスケジュール確認や日々の日報に書いてある内容からうかがい知れる部分はあるが、プロジェクト管理ツールの活用などにより、今後は解消してきたい点だ。

最後に

プロジェクトミーティングを実施する目的は、ただ単に進捗状況を確認するだけではなく、遅延やトラブルに繋がりそうな点を拾い上げて、すぐに対策を打つことにある。

もしかすると、今回変更したミーティング方法でもうまくいかずに、またすぐにやり方を変えるかもしれない。

「前からこのやり方だから」と思考停止で続けるのではなく、より効果的な方法はないかを考えて、ブラッシュアップし続けるべきだろう。ミーティング方法に留まらず、基本的な仕事における姿勢として注意しておきたい。

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