企業内で中堅の役どころをしていると、どうすれば若手が意欲をもって仕事に取組み、成長できるかを考えることが多い。前職では若手のメンターをしていたこともあり、20代の社員が多いベイジでも、プロジェクトマネジメントを通して、何かしらの貢献ができるのではと感じている。
今回は、若手の成長とモチベーションを維持するためのマネジメントに対する、私の考えをまとめてみた。
作業をしてもらいたい担当者に向けて、指示する時には、目的、具体的な作業内容、ゴール、期限を明確に伝えることが重要である。しかし担当者の経験がまだ浅い場合、この全てを一度の指示で理解することが難しいこともある。
理解不足をしっかりと伝えられる担当者であれば問題ない。しかし、中には理解していないにも関わらず「分かりました」と言ってしまう人が案外いるのである。
私も若手の頃、担当者として管理者の指導を受ける際に、とりあえず「わかりました」と答えることが多くあった。それはなぜだろうか。
このような理由が考えられるが、その大半が「あきらめ」であり、管理者の伝え方にも問題があることがうかがえる。では、管理者はそのような担当者にどうアプローチすればよいだろうか。
もちろん本当に理解できていることも多いので、まず管理者は、歯切れが悪い、悩める「わかりました」を察知することが重要である。
何かがいつもと違ったら、担当者を詰めるのではなく、相手の理解不足を受け入れつつ、補ってあげることで、担当者の理解を深めてあげるといい。
担当者も指示・指導の目的を理解し取り組めば、やる気をもって作業に打ち込めるだろう。また、わからないことを「わからない」と言える関係性を構築できれば、理解をすることを諦めない姿勢も育めるだろう。
作業を細かく指示すれば、素早く効率的に目的を達成できる。しかしその指示は、作業をしてもらう担当者の成長や意欲に繋がっているだろうか。
細かく指示を与えすぎると、担当者は自分で考える必要がなくなり、淡々と作業をこなすだけの人になってしまう。自身のアイデアや、気持ちの入っていないタスクに遣り甲斐を見出すのは難しいものだ。
一方、担当者自身が考えられる余地を残し、自ら選択し決断する経験を多く積ませることができれば、作業に対する責任感や自分事の意識を持たせることもできる。管理者はそのために「担当者が自ら考えられる・目的とゴールが明確な指示」をする必要があると考える。
ただし、担当者が主体的に進めた結果、困難な状況に陥ってしまうこともあるだろう。管理者は、それをかたわらから見守り、進め方に苦慮している様子があれば、すかさずフォローをすべきだが、そこでも担当者が主体性を維持できる状態が理想だ。管理者としてやるべきは、
このように、あくまで担当者が自身の力で解決していくように導くことが重要であり、管理者が答えをだすのは最後の手段であると考える。
また主体性を重んじた結果、担当者が過剰に働いてしまう状況が起こりえる。担当者自身で働き過ぎないコントロールをすることは大切だが、管理者からのアプローチも必要である。時間超過になった結果を注意・指導するのではなく、時間が増えそうな状況を汲み取り、早い段階で作業の収束に導きたい。
仕事の遣り甲斐は何かと問われた時に「お客様から”ありがとう”と言われた時」と答える人は多い。だからこそ、作業を完遂した後は、担当者を何らかの形で承認し、何に貢献しているかを実感させたい。
しかし、全ての作業がお客様と繋がっているわけではないため、感謝の言葉は担当者まで届かない。そういう時こそ管理者が、お客様や関係者の言葉を担当者にまで確実に伝えることに価値があり、その後の担当者の意欲の継続にも繋がると考える。
感謝の気持ちは、顧客や関係者からだけではない。担当者が意欲的に作業に取り組むことこそ、管理者自身の遣り甲斐でもあるはずだ。だから管理者こそ、担当者に日々感謝の気持ちを伝えるべきなのではと感じる。
最近言ってないなら、担当者に伝えてみよう。
「いつもありがとう」と。