効率良くパーツ作成を行うためにできること

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デザイナー 高島 藍子

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ここ数か月、素材作成のタスクを任されることが多かった。一つ一つは細々としたタスクで、ベースデザインのように時間をかけて悩むものではないが、数が増えればその分時間もかかる。またベースデザインは完成していても、素材がなければコーディングが進められないので、可能な限りコーディングを依頼する前に作成を完了し、わかりやすく共有できるようにまとめておくべきだ。

とはいえ、全体のスケジュールが遅れてしまったりと、スケジュール通り進まないことの方が多いだろう。その場合にはいかに効率よく素材作成を行い、共有するのかが大切になってくる。ここ数か月パーツ作成を行っていく中で、うまくいったこと、失敗したことを含めて、自分なりの効率よく作成し、共有を行うためのナレッジが溜まったので、まとめてみたい。


作成の際にできること

1.書き出し手順をはじめに決めておく

ベイジでメインで使用しているツールはXDだ。そのためトリミングした画像をデザインに反映し確認する作業もXD上で行うことが多い。その際に問題となるのが画像の書き出しについてだ。

XDにも画像の書き出し機能はあるが、Photoshop等と比べると画質が落ちてしまう。そのため、メインビジュアルなどの大きな画像をできるだけ綺麗な画質で書き出したい場合には、XDではなくPhotoshopで書き出しを行う必要がある。しかし、現状Photoshop→XDへの読み込みはできても、XD→Photoshopへはできないので注意が必要だ。

一旦XDでトリミングを行ってから、Photoshopで書き出しを行おうとすると、結局Photoshopで再度トリミングをする羽目になってしまい、二度手間となってしまう。そのため、Photoshopで書き出しが必要な画像は初めからPhotoshopで、XDで十分な画像はXDで、と書き出しまでを想定したツールの使い分けを決めておくことが必要だ。

2.素材データをまとめたファイルをわかりやすく管理する

ページ数が少ない場合は、一つのXDファイルで素材全てを管理できるのだが、ページ数が多い場合は素材管理用のXDも複数に分ける必要が出てくる。その際にファイル名のつけ方を気をつけないと、どこにどの素材が入っているのかわからなくなってしまい、探す手間が生じてしまうので気をつけたい。

「素材_01」「素材_02」等ではなく「素材01(ホーム・特徴・社風…)」「素材02(キャリア・働き方・インタビュー…)」という感じで自分なりにわかりやすいファイル名をつけておくことが、後々の作業効率の向上につながってくるだろう。

3.作成した素材は実装前にクライアント確認をしてもらう

クライアントから修正依頼が来るのは仕方のないことだが、できるだけ修正作業は少なくしたいのがデザイナーの本音でもある。写真の差し替え一つを取っても、トリミング・色調補正・書きだし・圧縮、と4工程も行う必要がある、一枚一枚は大したことないタスクだが、数が増えるとそれなりに時間が取られてしまう。そのため、修正を減らすためにあらかじめ確認できることは確認をとっておこう。XDにはURLを共有すれば、データが確認できる便利な機能があるため、それを有効活用するのが良いだろう。

4.修正にすぐ対応できる素材作りをする

どれだけ前もって確認したところで、修正が発生してしまうのは仕方がない。なので、修正する際にも1から作るのではなく、ちょっとした修正で済むような工夫をしておくべきだ。例えばイラストレーターで図版を作成した場合、文字や線をアウトライン化してから書き出すことが多いと思うが、その作業をしてしまうと、ちょっとした文字修正でも、1から文字サイズや、フォントの種類、配置などを確認しなくてはならない。

それを避けるために、アウトライン化前のデータも残しておくと良いだろう。また、ボツにしたデザイン案も、修正の時に使える可能もあるため、バージョンを分けるなどして古い案も残しておくと、作業効率を上げることに繋がってくる。

共有の際にできること

1.素材の共有場所は一箇所にまとめ、わかりやすく管理・共有する

素材の共有場所はデザイナー以外の人が見てもわかるように1箇所に整理してまとめておくことが大切だ。リモートとなったことで、普段共有場所としているサーバーが使えず、できた順に五月雨に共有する形になってしまい、自分と私た相手以外のメンバーが、どこまで素材が揃っているのか?どこに入っているのかがわからない状況になってしまったことがあった。

そのため、素材はメンバー全員が確認できる場所で共有し、できる限りまとめ共有する。それが難しい場合は、どこまで共有済みで、どれが後日になるのか、新規で追加した素材はどれなのか、ということを相手にもわかるように共有する必要がある。


2.遅れる場合は、報告・相談する

「ベースデザインの作成に時間がかかっていて、素材作成にまだ入れない…」や「クライアントから必要な画像がもらえていない…」など様々な理由でスケジュール通りに進められず、素材作成が予定通りに完了しないこともある。その場合、ギリギリまで何も相談しないのは悪手だ。他のメンバーのスケジュールまでもを大きく遅れさせてしまう要因になる。そのため、遅れの弊害をできるだけ少なくするために、作業の進捗を確認し遅れそうだと感じた場合は、できるだけ早い段階で、チームメンバーに相談しておくべきなのだ。

だが、そうわかってはいても、自分の作業の遅れのせいで、他の人に迷惑をかけると思うと、なかなか相談しづらいという気持ちもある。けれど、その考えは、かける迷惑を大きくするだけなので、日頃から、ちょっとしたことでも共有・相談する癖をつけておいて自分自身で相談しやすい状況を作っておくと良いと思う。

最後に

ここに書いたことは、かなり基本的なことかもしれない。でも忙しくなり余裕がなくなってしまった時には、いい加減になりがちなことだとも思う。いい加減に済ますことで、さらに効率が悪くなり作業が遅れる、そんな悪循環にハマってしまわないように、日頃から意識せずとも、徹底できるように努めることで、忙しくなった時、余裕がなくなってしまった時にも、自然に行えるようになるはずだ。

ちょうど今はリモートワークになり、いつもの進め方ではうまく進められないといった問題も増えていることだろう。だからこそ、今このタイミングで日頃の進め方を、再検討して、もっと効率よく進めるにはどうすれば良いのかを、考えてみても良いのかもしれないなと思った。

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