ベイジは40名にも満たない小さな会社ではあるが、社員が十数名の頃から採用には力を入れている。
先日、採用面談を経て内定受諾を貰えた方に、一次面談から最終面談まで通して、ベイジへのフィードバックがあれば率直に教えて欲しいと聞いてみたところ、以下のようなコメントをいただいた。
採用面談は一方的に企業が評価する場ではなく、お互いを知るための場だと考え臨んでいるので、このようなフィードバックを貰えたことはとても嬉しかった。
採用活動は試行錯誤の連続ではあるが、応募者と会社の双方にとって有益な時間にできるよう、私たちは以下のような点を工夫している。
応募者の方が履歴書や職務経歴書を用意するのであれば、私たちも同じように用意すべきでは?
こういった考えから3年ほど前に生まれたのが「ベイジの履歴書」だ。
よくある履歴書のフォーマットを踏襲し、以下の情報を掲載している。
面談の冒頭では、ベイジの履歴書を見せながら会社の紹介をしているが、応募者の方は自分の履歴書が表示されたのかと勘違いして驚く方も多い。冒頭で笑いも生まれるのでアイスブレイクにも最適だ。
誕生日(設立日)から社員数、現住所(オフィス所在地)などの基本情報から始まり、設立からの主な出来事、代表の経歴といった順番で説明すると、応募者の方も理解がしやすいようで色々と質問もしてくれる。
年数が経つごとに1枚に情報を盛り込むのが困難にはなるが、取捨選択しつつも今後も活用していきたいフォーマットだ。設立からの主要なトピックや、社内の文化やイベントに関するエピソードなどを含めることで、応募者に会社の成長や文化を端的に理解してもらえるようにしたい。
ベイジの履歴書と同じく用意している「会社紹介書」の中では、設立以来の推移として、社員数や売上、前年比、利益率なども掲載している。
また、自社の事業における強みも伝えるようにはしているが、継続して取りくんでいる事業や組織上の課題もまだ多くある。
良い面だけを見せた方が印象は良いかもしれないが、綺麗事だけを伝える会社にはなりたくないし、期待値だけが上がってしまい、入社後にガッカリ体験になることは避けたい。
この考えは私たちが採用サイト制作の支援をする際にも、顧客にはしつこいくらいに伝えていることだ。今は退職者がコメントできる企業のクチコミサイトやSNSがあるので、実態は調べれば分かってしまう。
変に隠そうとせずに「ぶっちゃけこんな状況です」と伝えた方が良いし、会社の課題や実情も理解した上で入社してくれた方が双方にとっても良い結果になるだろう。
会社の規模がまだ小さいこともあるが、私たちには人事や採用における専任者はおらず、私も含め現場のメンバーが兼務して対応している。
カジュアル面談や初回の採用面談から、選考の判断やメールでお送りする文章の内容まで、各チームのメンバーが対応する体制だ。
現場のメンバーは仕事の合間に時間を捻出するので大変だと思う。しかし、現場の実情をあまり知らない人事や採用担当者が面談をするよりも、実務をしているメンバーが担当した方が応募者からの質問にも実態に即した回答ができる。また、現場の雰囲気も感じ取ってもらえるはずだ。
これは会社の規模が小さいから実現できていることかもしれないが、現時点で専任者を用意する計画はない。
採用は組織成長の鍵であり、そのためには「全員が採用担当」という姿勢が不可欠だ。自分たちと一緒に働くことになる未来のメンバーと出会えるように、現場のメンバーも協力してくれている。
私たちが重視しているのは、スキルや経験だけを評価するのではなく、お互いの価値観や将来的に目指したい方向性なども理解した上で選考を進めることだ。
そのためには、積極的に情報を提供する姿勢が必要であり、「会社が応募者を評価する」のではなく、「応募者も会社を評価する」という前提の理解も不可欠だろう。
お互いを理解した上で一緒に働くメンバーを増やしていけるように、今後も採用プロセスの改善を続けたい。