ビジュアルデザインのコンセプトの考え方を模索する中、情報収集の一環としていろんな書籍を見ていた。
その中で、ノバセルの田部正樹さんの著書「ブランド力を高める「指名検索」マーケティング」が目に留まった。
特に印象的だったのは、北尾昌大さんとの対談記事である。そこで強調された「伝えたい便益と顧客の共感が重なる表現を追求する」スタンスは、業務においても有益な考え方だと感じた。
BtoBや無形商材など、複雑なサービスの場合、特徴を端的に伝えることは容易ではない。強みがあっても、それが顧客にとってどれだけの価値があるかを示すことが不可欠である。
この著書では外側からは分かりにくい特長を誰でも理解できる価値に変換し、シンプルなメッセージにまとめる重要性が詳細に説かれている。
このアプローチにより、戦略から逸脱することなく、クリエイティブなアイデアを生み出し、多くの人にサービスの便益を伝えることが可能だとされている。
そのためには、人間の本性や本音、深層心理を考慮しながら、クリエイティブなアプローチを採用することが求められる。著書は、これらの要素を具体例を挙げて説明しており、コミュニケーションデザインに従事する者にとって貴重な一冊と言えるだろう。