先日、クライアントが定期的に開催している、リード向けのセミナーに参加した。BtoB企業にとって、セミナーはリードナーチャリングの重要な取り組みのひとつとなっている。BtoB企業のマーケティングを支援できるwebサイトを提供したい我々としては、このようなセミナーに出席して、その実態をつかむのも大事なフィールドリサーチと位置付けている。
web制作会社である自分たちが顧客の主催するセミナーに参加することは、以下の2つの大きなメリットがあると考えている。
BtoBではターゲットが生活者ではないので、リードやカスタマーと直接的に出会う機会が非常に少ない。だからこそ、顧客が開催するクローズドなセミナーは非常に貴重な機会だ。そのため、プロジェクトが始まるとセミナーの開催予定を確認して、できる限り参加するようにしている。
もちろん、来場者と直接話をすることはできないが、セミナーが終了したときの担当営業の方と来場者との間の、「参考になるセッションはありましたか?」とか「検討されていたあの件どうなりました?」などの生々しい会話を聞くことができる。また、容姿や行動を観察するだけでも、ペルソナの元となるさまざまな情報をインプットできる。例えば今回のターゲットは30代~40代の男性と思っていたが、20代~30代くらいの女性も一割程度含まれていたことも、セミナーに参加しなければ分からなかったことである。
スライドや話している内容を通じて、顧客が参加者に対して日頃からどのようなコミュニケーションを取っているかを、直接見聞きできるということである。これは、例えばwebサイトのコンテンツを企画する上でも大きなヒントになる。担当者が業務で抱えている課題や、解決するためにどんなソリューションを用意しているかなどについて、クローズドなセミナーならではの他では聞けない深い話がそこで語られているからである。
会場を見渡してみると、話に聞き入ってメモを取っているタイミングや退屈そうにしている様子など、どのようなテーマや講師の話し方のときが参加者に対して響いているのかを知ることができる。これはセミナーに参加しなければ分からないことだろう。
このようなメリットがあるからこそ、顧客が開催するセミナーには絶対に参加すべきである。セミナーは常時行われているわけではないので、タイミングが合わないこともあるが、本来は戦略フェーズのリサーチで経験しておくべきだ。そのため、キックオフなどのかなり早い段階で、今後のセミナー開催予定を顧客に聞いておくのが良いだろう。
大切なことは、自分が知っている範囲で結論を出すのではなく、必ず顧客の製品やセミナーを体験してみたり、ユーザーテストを実施するなどして、具体的で現実的なアイデアを導き出すことにある。机上の空論にならないように注意して、今後もリサーチを実施していくようにしたい。