前提条件にとらわれずアイデアを出す必要性

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執行役員 / コンサルタント 今西 毅寿

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あるサイトリニューアルのワイヤーフレームについて社内でディスカッションした際に、改善前とのジャンプ率について話があがった。ジャンプ率と言うとデザインで強調したい要素とそうでない要素の違いを出すために意識することが多いが、webサイトや業務アプリの改善においても同様のことが言える。

既存のwebサイトや業務アプリケーションのリニューアルをする場合、現在利用しているユーザーの利便性や前提条件を考えすぎてしまうと、ほとんどリニューアル前と変化がないような設計に落ち着いてしまう問題がある。

自分が担当した過去のプロジェクトでも、BtoCサイトのワイヤーフレームを作っていた際に、現状のwebサイトから大きく変わるようなアイデアを最初に出せないことがあった。

クライアントへの提案前に「ほとんどリニューアル前と変わらなくない?」と社内フィードバックがあり、再度複数のアイデアを検討した上で提出に至ったが、結果的には従来のサイト構造からは大胆に変更するアイデアが採用される経験があった。

クライアントが我々のようなweb制作会社に期待することは、クライアントの社内では思いつかないようなアイデアを出してくれたり、現状から大きくクオリティを上げてくれることだろう。

さまざまな制約によって現実的には実現するハードルが高い提案だとしても、「これは思いつかなかった!」「ぜひやってみたい!」といった反応がもらえるアイデアが含まれていないと期待値には近づけていないのではないだろうか。

これは現状から大きく変える奇抜なアイデアの方が良いとか、変化が少ないのは悪いというわけではない。数多くのアイデアを出し、何度も思考を深めた上で最終的にたどり着いた最適解が現状とはあまり変わらなかったのであればよいだろう。

問題となるのは最初に高くジャンプをしない姿勢だ。制約にとらわれて失敗を恐れるような優等生的なアイデアに留めてしまうと、そこからさらに高みに到達できる可能性は低い。しかし、最初に全力でジャンプをして高みを目指す姿勢があれば、そこから最適な高さを見極めて調整していくことはできる。

小さなアイデアで小さく改善するのではなく、ある意味ぶっとんだアイデアを出す。これは組織作りにおいても同じことが言えると思う。何となくルーティンになっていることに対して、多少やり方を変えても大きく組織が良くなることはない。最初は痛みや負担が伴うとしても大胆に大きく変えることで、やっと少しずつ改善されるのではないか。

現状の課題を細々と改善するのではなく、ハードルは高いかもしれないが振り切ったアイデアを出すこと。これができないのは保守的だと思うし、自分の視野が狭い状態ではないか。前提条件やハードルにとらわれずに思い切ったアイデアを出すことを、クライアントワークでも社内における組織作りにおいても徹底して実践していきたい。

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