ベイジでは開発に入る前に要件定義書を作成しているが、ある案件の要件定義が落ち着いた。この案件は今後、外部の協力会社さんに開発・実装を担当いただくが、その協力会社さんには、複数の案件を同時にお願いしているため、チャットを使ったやりとりが増えると予想される。
そのため効率よく、無駄なやり取りが発生しないように、質問の仕方や回答の書き方に気をつけなければいけない。これはもちろん今回に限った話ではないし、エンジニア以外も留意すべきことだ。
今日は、自分なりの無駄なやり取りを減らすための心がけについて、まとめようと思う。
1つ目は回答者の負担を考慮して、回答の選択肢を用意することだ。
私はエンジニアなので、社内エンジニアや外部のエンジニアさんと開発・実装面でやり取りすることが多い。例として、ある実装の方法について、こちらから質問するシチュエーションで考えてみよう。
やりがちな質問として、「○○の表示はどうやって実装しますか?」といったものがある。しかし、これだと人によっては様々な解釈の余地があり、回答によってはさらなるやり取りが発生するリスクがある。
自分にある程度の解釈(今回の場合は実装方法)があるのなら、「○○の表示はチェックボックスでの選択ですか?それとも入力ですか?」のように、想定される回答を選択肢のような形で伝えることを意識したい。
回答する立場から考えると、「○○の表示はチェックボックスを使用します」と答えなければいけない質問より、「はい、チェックボックスです」と答えるだけでいい質問の方が、ささいな違いだが楽である。
そうすれば、お互いの解釈の違いが生まれるリスクが減り、ひいては無駄なやり取りを減らせるだろう。
以前、担当したプロジェクトで私の質問の仕方が悪く、一度で済んだはずのやり取りを何往復も発生させてしまったことがあった。質問が悪いと私だけでなく、相手の時間も束縛してしまう。
自分自身の些細なミスや少しの手抜きが、相手にとっては大きな負担になることを理解し、どんなときでも丁寧な対応が必要だ。
言葉の扱い方という観点で気をつけたいのが、語句の統一だ。
以前にある案件で、クライアントの担当者は本番反映のことを「本番化」という言葉を使用していた。また、別案件では、サイトを「マザーサイト」と呼ぶ担当者の方もいた。いずれもベイジでは耳馴染みのない言葉だ。
言葉に誤りがあれば訂正する必要があるが、特に問題なければ、相手が使い慣れている言葉を使ってやり取りした方が、認識違いを防ぐことができる。
自分や社内で使用している言葉に固執するのではなく、やり取りをスムーズにするためにも「相手の言葉に合わせる」ことを習慣化した方が良いのではないかと考える。
最後に、個人的に大切だと思う姿勢について述べたい。
その姿勢とは「自分の担当外の業務に関心を持った上で質問する」だ。
担当外の業務に関心を持つことが大切なのは、それを知ることで自分自身の判断基準も増えるからだ。
例えば、何らかの決定事項について意図や経緯を知らないと、後々になってパラパラとした個別の質問をしてしまい、時間も消費してしまう。
しかし、他の業務に関心を持っていれば、適切なタイミングで適切な質問ができるようになる。そして、それが結果として「良い仕事」に繋がるのではないだろうか。
無駄なやり取りが増える原因は、質問の仕方がまずかったり、使っている言葉に認識のずれがあったりするからだ。当然、それらには注意すべきではある。
ただ、相手の回答する負担を減らす、相手の使う言葉に合わせる、相手の業務に関心を持つとは、つまり「相手のことを考える」ことだ。これこそが、無駄なやり取りを減らす上で最も重要な考え方ではないだろうか。