身を削って対応する、という悪手

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情報システム 野村 輝

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以前勤めていた会社は、仕事で困難なことがあった時、身を削って対応することが美学のように語られる傾向があった。

確かに身を削らないと解決しないこともあるだろうと思い全否定はしなかったが、なんで自分の身を削ることが称賛されるのだろうと、最初は疑問に思っていた。

しかしながら、やがてそういう環境、そういう仕事の仕方に徐々に慣れてしまい、仕事の中で何か問題が発生した時に、私自身もすぐに身を削って対応する癖がついてしまった。

身を削るというのは時間をあてがうこととほぼ同じだが、確かに寝食を惜しんで働く時間を追加すれば、突発的に発生した問題も解決できることが多い。時間が増えるわけだから当然である。

しかし、組織全体がそんな働き方をしていたからか、ネガティブな愚痴こそ聞かなかったが、とにかく皆が疲弊していた記憶がある。

効率的に解決する別の方法を考えず、身を削れば実現できる方法にすぐに飛びつくのは、単に疲弊するだけでなく、問題解決能力を低下させてしまうことのようにも思う。

また、経験が浅い人ほど、発想できる解決策の幅が狭く、すぐ身を削る方法に走ってしまう傾向も感じる。「よくやった」と褒めてあげることは大事だが、身を削ることを無条件に称賛し続けるのは、その人にも、その組織にも、結果的に良いことにならないと思う。

もし経験が浅い人が何らかの問題に遭遇したら、すぐに身を削る方法に飛びつかせるのではなく、身を削らないでできる方法はないか、考えを促したい。

また結果的に身を削る方法で解決したのなら、それを労ってあげつつ、もっといい方法はなかったかと、やはり考えを促してあげたい。

それが、過去に身を削って仕事をし、その弊害や限界を知っている人間が、後進にできることではないかと思う。

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