デザイナーの山崎です。私はベイジに入社する前、ウェブサイトの運用担当者として2年ほど働いていました。
実を言うと、前職は納期を守るという性質が強い仕事ではありませんでした。なので「だいたいこの作業は1時間くらいかな」と何の根拠もなく時間を配分したり、「間に合わなかったら残業すればいいか」と考えたり、どちらかというと時間にルーズな働き方をしていました。
しかし、ベイジに入社してからはこうした態度を改めるようになりました。
理由としては新しい環境で考え方に変化があったことと、自分にあうやり方を見つけられたことの2つがあると思います。
私の場合、前職は基本的には自分一人で完結する作業がほとんどでした。あったとしても社内の関連部署とのやり取りで、間に合わない時は後ろをずらして調整するなどスケジュールを柔軟に動かしやすい環境でした。当時はむしろ、「細かくタスクを洗い出してスケジュールを立てる時間があるなら、先に手を動かしてタスク処理した方が早く終わるんじゃない?」と考えていた節もありました。
考え方を改められたのは、ベイジに入ってようやく社内業務の締切ではなく、お客さまと合意した納期に向けて複数人でものを作るようになったからです。自分の作業が遅れてしまうとその分実装のスケジュールに影響し、エンジニアさんやお客さまなど周りに迷惑をかけてしまうことになります。必然的に納期遵守の姿勢が身に付き、全体の作業量のうち自分が今どこに位置しているのかを把握するためにスケジュールやタスクを細かく管理する、という“管理の目的”を理解できるようになりました。
また、ベイジのデザイナーチームにもともとお互いをカバーしあう文化があったのも大きかったです。もちろん、一人ひとりは責任をもってプロジェクトを担当していますが、突然の病気や他案件との兼ね合いなど、予測できない事故はどうしても起こります。そうなった時手遅れになる前に周囲に相談したり、作業を分担して他の人に依頼したりと、事前に調整して最悪のケースを回避することが徹底されていました。
進捗をブラックボックスにせず周りの人に適宜共有しておくという一見地味な工夫が、何かあった時の自分とチームを助けてくれると身をもって学びました。
スケジュールやタスク管理は作業時間の予測精度が高ければ高いほど管理しやすくなります。そして予測精度をあげるためのコツは、細かくタスクを分解することです。
例えば私だったら、トップページをデザインするときは「トップページのデザイン(1日)」とざっくりとするのではなく、「メインビジュアル(2h)」「特長部分(1h)」「動線の確認(1h)」というように細かく分解していきます。
細かく分解するとより詳細に必要なタスクと時間を可視化できるため、「ざっくり1日とってたけど始めてみたらやることが多くて全然終わらない、これ2日かかるやつだったんだ」というような予測ミスを防ぐことができます。
この方法は作業時間の体感がまだ掴めていない初心者の方や、これまでやったことがない作業を担当する方にもおすすめです。細かく分解しておくと、後々スケジュールを立てるときに作業時間の予測の参考にもなるため、続けていくことでざっくりとしたスケジュール感でも精度を高められるようになります。
締め切りを守るのはクリエイターだけではなく、ビジネスパーソンとして基本中の基本です。ベイジに入社してからはデザイナーとしてのスキルはもちろんですが、社会人としてもレベルアップできたのではないかと感じています。
また、制作会社で働くデザイナーにとって時間は無限ではありません。「いいものを作るためにはとことん時間をかけたいし、やれる限りのことはやり尽くしたい」という気持ちもありつつ、最近は「5日追加して作るものがクライアントに相応の価値を生んでくれるのか?」という視点も大切にするようにしています。
自分も迷う部分はまだまだ多いですが、日々試行錯誤をしながら努力し続けていきたいです。