ウェブ制作会社のベイジは、プロジェクト単位で仕事をしている。BtoBビジネスの特性もあり金額は大きく、1つのプロジェクトで、1000万円の予算を超えることも多い。
どんな金額であっても、予算をベイジに投資するということは、その企業にとって大きな決断だと思う。
だからこそ、私はデザイナーとして新しい案件にアサインされたら、必ず「見積書」を確認する。顧客のお金を自分のお金のように捉え、「自分ごと化」して考えるようにするためだ。
私は、とある事業会社で営業のインターンをしたことがあり、利益を作る大変さを身にしみて理解した。多くの企業努力があり、お金は湯水のように沸いて出てくるものでもない。
顧客が投資するお金の価値を理解し、それに見合った行動を取ることは大事にしたい。もし自分のお金だったら、1円も無駄にはしたくないし、有意義に使いたいと思うだろう。
私は、以下のような観点で、自分ごと化するようにしている。
一方で、クリエイターは、顧客のお金を自分ごと化しずらいこともあるのではないか?
私がこの考えに至るきっかけの1つに、写真撮影の仕事がある。たとえば、ある撮影プランで枌谷さん(@sogitani_baigie)から、「見ている人には分からないような効果が得られないことに対して労力をかけすぎでは?」とコメントをもらった。
コーポレートサイトにおいて、ユーザーからすれば社員の写真はサブのサブのサブくらいの位置付けなので、優先順位や重要性を認識した上で、どのくらいの時間や手間やお金を投資すべきかはもう一度考えて欲しいところです。
当時、デザイナー視点のクオリティばかりを考えていて、視点が自分に向いていた。社内のプロジェクトだったので、自社のお金をどこに投資するか、身をもって経験した。
また、私はブランドコンサル会社 B&H代表の今村さん(@leegenki)が書いたあるポストが好きで、たまに読み返すことがある。
デザイナーに伝えておきたいこと。クライアントから撮影費用として頂いた100万円。この100万円、自分が誰かに自腹で依頼することを想像して考えて欲しい。本当にそのカットは必要なのか。どの媒体でどのように使うのか。この撮影に100万円の価値があるのか。予算を自分ごと化するのが大事
https://x.com/leegenki/status/1314069135110750210?s=20
自分たちの経済的価値を下げるような行為をしたいわけではないが、顧客のお金を自分のお金のように捉えると、仕事の進め方や意思決定など多くに影響するのではと思う。