ベイジディレクターのリアル

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コンサルタント 本山 太志

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外部のディレクターの方とお話をすると、「ベイジのディレクターはBtoBマーケティングの知見が豊富にないといけなのでは?」「顧客の役員レイヤーの人たちと対等にビジネスの話をし、戦略的なコンサルティングをできなければならないのでは?」と聞かれることがある。

これは半分正解であり、半分間違っている。なぜなら、確かにBtoBマーケティングの知識や顧客のビジネスへの理解は求められるものの、現在のベイジでは、「コンサルタント/マーケター」と「ディレクター」の職能が存在しており、「コンサルタント/マーケター」がその領域を担っているためだ。
(※なお、コンサルタントはクライアントワークが中心、マーケターはクライアントワークだけでなく、自社のマーケティング活動の役割も担っている点が違いである)

そのため、ディレクターはどちらかというと「プロジェクトマネジメント」の領域に専門性があり、進行管理がメインの業務になる。これは一般的な制作会社のディレクターの業務と大きな変わりはないだろう。

人数が少なかった数年前までは、ディレクターが戦略の領域を担っていたが、メンバーが増え、社員の適性などを鑑みた上で、現在は役割分担が進んでいるというのが実態である。

あまり外部の方にこの実態が伝わっていないのかもしれないと思い、今回は「仕事内容」「タイムスケジュール」「働き方」の3つの観点からベイジディレクターのリアルをお伝えしたい。

1. 仕事内容

1-1. クライアントワーク

①通常案件

通常案件は大きく分けて「ウェブサイト」と「業務・ウェブアプリのUI/UXデザイン」の2つがあるが、ウェブサイトの通常案件だとリニューアル(新しく作り直す)がほとんどで、①戦略、②情報設計、③ビジュアル・コンテンツ制作、④開発の4フェーズを約6~8ヶ月ほどの期間をかけて進めるプロジェクトになる。

ディレクターは戦略フェーズから携わることもあるし、情報設計フェーズから入り、進行管理を務めることもある。これは他のプロジェクトの進行具合やリソース状況によって変動する。たとえ戦略フェーズからプロジェクトに入ったとしても、このフェーズの主導はコンサルタントが担うことになり、ディレクターは主に進行管理のサポートが仕事となる。

もちろんディレクター職で入社したからといって、戦略が担当できないということではなく、希望を出せばコンサルティング業務も担うことができるし、コンサルタント/マーケター職の方が適性がありそうとなれば、転籍も可能だ。

なお、現在私は、4つのプロジェクトのディレクションを並行して進めている。リソースとしてはこれ以上の案件をやる余裕はないため、アレンジャーと呼ばれるプロジェクトのアサインを決めるメンバーが、他の案件が入らないように管理している。

②小規模案件

ウェブサイトを公開後、クライアントからスポット的に改修や更新依頼がある案件をベイジでは「小規模案件」と呼んでいる。小規模案件は目的がはっきりしており、具体的な修正内容が決まっていることが多いため、多くの案件は2週間~長くても2ヶ月ほどで完了する。

具体的には「ページの追加」「コンテンツ内容の差し替え・改修」「リンクバナーの制作・設置」「ナビゲーションの追加」といったよくある更新がメインの仕事になる。

③カスタマーサクセスプラン

ウェブサイト公開後、顧客と半年単位で契約をし、PDCAを回しながら運用を行うのがこのプランだ。小規模案件と違うのは、より長期的な視点で「顧客の成功にコミットすること」だ。「ウェブサイトがどのような状態になったら、顧客の成功と言えるか」ということを定義し、その定義に紐づく、KGI、KPIを設定し、改善施策を回していく。ただのオペレーティブな更新管理ではなく、能動的な提案や動きが求められる。

社内にはカスタマーサクセスチームが存在しており、ディレクターが中心となって、チーム内のデザイナーやエンジニアと連携しながら、ウェブサイトの改善施策を提案・実行している。このチームに在籍するディレクターは、通常案件に携わるディレクターと役割は分けられているが、社内のリソースの都合上、どちらも担当しているのが実態だ。(もちろん、チームが異なるため、その割合は変わってくる)

1-2. 社内業務

①セールス

セールス対応もディレクターの業務の1つだ。とはいってもアウトバウンド的なセールスはほとんどなく、問い合わせに対して、商談をするかどうかの判断や、商談が確定した以降のセールス対応を行うのがメインだ。昨年まではコンサルタントのメンバーが中心となって商談対応をしていたが、セールス対応ができるメンバーの増加、それによる負荷分散を目指し、今年からディレクターも商談対応を行っている。

セールスの業務としては、商談対応、見積もり作成、(必要があれば)要件整理のための2回目の商談、クロージングまでのメール対応が主な仕事となる。なお、商談をするまでは、社内にインサイドセールス業務を担当するバックオフィスメンバーがいるため、問い合わせ対応の負荷が減るように工夫されている。

②チームミーティング

月に2回チームミーティングがある。ディレクターは「ビジネスチーム」に所属し、コンサルタント/マーケターと一緒にチームミーティングを行っている。チームミーティングでは、「1. メンバーのタスク・予定確認」、「2. プロジェクトであった問題点の共有・改善議論」、「3. ナレッジ・情報共有」の大きく3つのアジェンダがあり、1時間ほど話し合いをしている。

チームミーティングの場はフラットな関係性で、顧客の成功のため、メンバーの成長のためにつながる議題であればどのメンバーでも好きに提案ができる。

③日報・情報発信

今書いているこの日報も社内業務の1つだ。日報は日々の気づきや社内発信のために書く社内用日報と外部への企業認知・想起、採用貢献などを目的とした日報サイトでの発信の2つがある。

社内用日報は7つの行動原則と照らし合わせて書くことが求められている。日報サイトでの発信はマストではないが、多くの社員は月に1回程度の頻度で更新をしている。もちろん、書きたい人は月に2回でも3回でも書いても問題ない。

ただ、外部発信するからには、社内用よりは言葉を厳密にしなければいけないし、構成も読みやすいように気を使う必要がある。そのため、外部に出す前に、ライターチームによるチェック・校正がルール化されている。

④1on1

メンターとの1on1が月に1度あり、OKR(Objectives and Key Results)を活用して目標管理をしている。年始に自身の「Objective(達成目標)」とその達成度を測るための「Key Results(定量的な成果)」を設定する。そしてそれを達成するための具体的な「Action(行動)」を毎月定義し、その行動ができたかどうかを1on1で振り返る。

達成できていれば、よりチャレンジングなActionを設定し、できなかった場合は、原因と対策をメンターと話し合い次月のActionに落とし込む。

なお、1on1の頻度はメンターと話し合って自由に設定することができる。特に社歴が浅いメンバーは週次や隔週での実施され、頻度を調整している。

2. タイムスケジュール

2-1. 1週間のスケジュール

とある週の私のGoogleカレンダー

上記でお伝えした通り、私は通常案件のプロジェクトに4件携わっている。業務の割合としては、顧客との打ち合わせが3割、社内の打ち合わせが3割、残りの4割は作業やテキストコミュニケーションとなっている。プロジェクトのフェーズによってこの割合が変わってくる。

カレンダーに可視化すると、上記のようなスケジュールになるが、実態はこんなにきっちりと時間を決めて仕事ができているワケではない。突発的な差し込みのMTGやタスクは入ってくるし、メンバーや顧客から質問が来たら、適宜回答する必要があるため、もっと流動的で細切れのスケジュールになる。

これはベイジであっても他の制作会社であっても変わらないディレクターのスケジューリングのリアルだろう。

2-2. 1日のスケジュール

6:00起床
6:30家族と朝食
7:15子どもをバス停まで送迎
7:30家事
9:00~10:00始業:1日のスケジュールの確認、細々した雑務の整理
10:00~12:00社内ミーティング、ディレクション業務
(月曜日は11:30~昼礼、金曜日は10:00~朝礼)
12:00~13:00昼休憩
(フレックスなので、休憩は好きな時間かつ1時間以上でもOK)
私は、30分ほどで昼食を済まし、仮眠を取ることが多い
13:00~16:00顧客MTG、ディレクション業務、セールス対応
(顧客MTGは午後に設定することが多い)
16:00~17:00チームミーティング(月2回、水曜日)
17:00~17:30プロジェクトミーティング
(各プロジェクトの進捗確認を行うミーティング、毎週実施)
17:30~18:30ディレクション業務
18:30~19:00退勤:日報作成
19:30家族と夕食
20:30お風呂
21:00~23:00自由時間
23:00就寝

私の1日のタイムスケジュールは上記のとおりだ。子どもが小学校に入学してから朝は6:00起床と早いので、基本的には朝型の生活をしており、夜は日付が変わる前に就寝する。

忙しいときは19:00に上がれないこともあるが、遅くとも21:00には退勤する。(それ以上残業することも可能だが、上長の許諾が必要となる)

3. 働き方

3-1. フルリモート

現在私は長野県に住んでおり、フルリモートで勤務している。業務の環境としては、

  • テキストコミュニケーション:Slack
  • バーチャルオフィス:Discord
  • プロジェクト管理:Backlog
  • ミーティング:Google Meet、Zoom
  • ドキュメント・ファイル共有:Google Workspace

を利用して仕事をしている。

会社支給のPCはWindowsでもMacでも好きなマシンを選ぶことができる。コンサルタント・ディレクター職はWindowsPCで仕事をしている人が多く、私もWindowsPCを利用している。

自宅は自分の仕事部屋があり、快適に仕事をしたいためデスク環境にはそれなりの金額を自費で投資している。

朝礼のネタで話したデスクツアーの写真より

3-2. フレックスタイム制

ベイジではフレックスタイム制を導入しているため、業務時間中に私用を入れて柔軟に働けることも良い点だと感じている。歯医者に通院したり、役所への手続きがあったり、子どもの送り迎えが発生したりと生活をしていると平日の方が都合が良い用事も多くあるが、フレックス制にはだいぶ助けられている。

3-3. 出張

オフィス出社や顧客への訪問による出張が1~2ヶ月に1度ほどある。個人的にはたまにはオフィスに出社してリアルのコミュニケーションを取ったり、顧客と対面で直接話した方が、得られる情報量も多く、刺激があって面白いし、良い気分転換になると感じている。

まとめ

以上、3つの観点からベイジディレクターのリアルをお伝えしてみた。おそらく一般的なウェブ制作会社のディレクターと大きく業務が異なるということはないだろう。

一方でベイジでは、日報文化やフィードバック文化といった会社として大事にしている文化・制度があるし、「評価」という観点では、ディレクターとしてどれだけ円滑に業務が遂行できるのか、顧客の成功に貢献をしているのか、というシビアな側面もある。

ただ、評価をされることは会社員として当然だし、評価の基準は会社側も明示してくれているため、あとは会社が用意した水準を自分が達成できるか否かのシンプルな評価制度だと感じている。

最後になるが、私が今回の記事を書いたのは、ベイジでは絶賛ディレクターを募集中なので少しでもベイジのディレクターのリアルを知ってもらい、興味を持ってもらえたらと考えたためだ。ベイジは東京の会社ではあるが、フルリモートなので、地方からの勤務ももちろん可能だ。

もし、ベイジのディレクターに興味が出た方はカジュアル面談から受け付けているので、ぜひ話を聞いてみてほしい。

詳しくはこちら

カジュアル面談もやっています

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