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7つの行動原則

執筆 枌谷 力
代表取締役
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17

ベイジは創業以来、ミッションもビジョンもありませんでした。しかし行動指針だけは、創業3年目の時点で策定しました。

「解釈のブレが生じない具体的な行動指針を作る」という意図で作ったため、最終的には8つの大項目に64の小項目が連なる、長大な行動指針となりました。

社員4人で作ったこの行動指針を社員38人になるまで使いましたが、この行動指針によって、人数の壁や組織上の大きなトラブル(大量離職や組織崩壊)などを経験せず、ここまで成長してこれたように思います。

しかし近年、経営のフェーズが明らかに変わっている実感から、今回のブランドの刷新では行動指針にも手を入れることにしました。

こうして新しく生まれ変わったのが、「7つの行動原則=Seven Principles」です。

Seven Principles
1. カスタマーサクセス(顧客成功起点で考える)
2. ユーザーファースト(ユーザーに持続的な便益を与える)
3. リーダーシップ(常に率先して半歩先を行く)
4. ベストエフォート(期待を超えるためにベストを尽くす)
5. ホスピタリティ(びっくりするくらい気を利かせる)
6. フェアネス(正直・率直・実直・愚直・素直を美徳とする)
7. セルフラーニング(自ら学習し、自ら考え、自ら成長する)

これらは、ミッション「ウェブで企業が持つ力を引き出す」、ビジョン「唯一無二のウェブの会社であり続ける」、バリュー「Make Benefit.」、タグライン「私たちは顧客の成功を共に考えるウェブ制作会社です」を実行・実現するために、私たちはどういう行動原則を持っておくべきかを言語化したものです。

それぞれの言葉に込めた思いについて、以下に詳しく解説します。

1. カスタマーサクセス

サブキャッチは「顧客成功起点で考える」。

「カスタマーサクセス」といえば、近年はTHE MODELで定義されているサービス導入後の支援部隊を想起される方も多いと思いますが、ここでは「顧客成功」という言葉そのものの意味で使っています。

ウェブを作る仕事をしていると、「ウェブの世界における正攻法」「クリエイターの美意識」を優先する考えに囚われることがあります。そんな時に立ち返りたいのが、カスタマーサクセス=顧客成功という原点です。

ここでいう「カスタマー」には、2種類の顧客が含まれます。1つは私たちと直接対峙するクライアント。もう1つは、そのクライアントの先にいる顧客です。時には、さらにその先にいる顧客のことも考える必要があるでしょう。こうした価値の連鎖を考えることもまた、カスタマーサクセスの一つです。一方で、「目の前に顧客の要求に応えるだけ」という御用聞き的な対応は、私たちが考えるカスタマーサクセスではありません。

私たちが考える顧客の成功とは、長期的に、持続的に、顧客を成功させること。そのために、私たちが持っている「ウェブを作る力」がどう使えるかを考える。これが私たちが標考える、カスタマーサクセスです。

望ましい行動・態度の例

  1. ウェブサイトに関するすべてのアイデアを、顧客成功起点で考える
  2. 顧客成功を定義し、定量的な指標を複数設定する
  3. 自らの業務が、成功指標にどう影響を与えるかを理解する
  4. 成功指標への影響と効果と確率で、業務を取捨選択する
  5. ウェブ制作としての正しさではなく、顧客成功を判断基準にする
  6. 顧客の先にいる顧客も想像し、価値が繋がるアイデアを導き出す
  7. 短期的・近視眼的ではなく、長期的・持続的な顧客成功を考える

2. ユーザーファースト

サブキャッチは「ユーザーに持続的な便益を与える」。

顧客の成功に貢献するウェブサイトは、ユーザーファーストで作られなければいけない。これは信念というより、成功法則といえるものです。

ウェブブラウザには、バックボタンや閉じるボタン、他のウェブサイトを検索するための検索バーが、使いやすい場所に配置されています。つまり、ユーザーがそのウェブサイトを気に入らなければ、すぐに離脱できるようになってるわけです。企業側がどんなに熱く、美しく、ブランドの世界観を伝えたとしても、それがユーザーニーズと合致していなければ、すぐに立ち去ってしまいます。

さらに、スマートフォンやPCの周囲には、常にリアルな世界が広がっています。興味が湧かないウェブサイトをわざわざ見る必要は、ユーザーにはありません。だからこそウェブサイトには、何よりもまずユーザーのニーズに応え、ユーザーが注目したくなる、ユーザーファーストの精神が不可欠なのです。

一方で私たちは、ユーザーファーストには時間軸の概念が必要とも考えます。

短期的にユーザーのニーズを満たすことができても、企業が身を削り続けるようなアイデアでは、ユーザーに長期的な便益を提供することができなくなります。

企業の力を引き出すウェブを作るためには、単なるユーザーファーストではなく、ユーザーの便益と企業の便益のバランスをとったユーザーファーストであるべきだと、私たちは考えています。

望ましい行動・態度の例

  1. 顧客成功とユーザーファーストの関係を理解し、常に意識する
  2. ウェブサイトがユーザーの便益に反してないか、細部まで目を光らせる
  3. 企業や作り手の美学を押し付けず、分かりやすさ/使いやすさを優先する
  4. 企業の要望をそのまま受け入れず、ユーザーの立場から批判的に検証する
  5. 都合がいいユーザー像を描かないための、リサーチやプロセスを重視する
  6. ユーザーを理解してると思い込まず、謙虚で自己批判的な姿勢を持ち続ける
  7. 企業がユーザーファーストになれない事情を理解し、共感を示す

3. リーダーシップ

サブキャッチは「常に率先して半歩先を行く」。

リーダーシップは、業界や職種に関係なく、すべてのビジネスパーソンに求められる普遍的な基礎スキルです。当然、ウェブのクリエイターにもこれは当てはまります。

ウェブを作る仕事は、知識を売る仕事です。ほとんどのお客さまは、ウェブサイトについて私たちより詳しくありません。だから私たちは知識を身に付け、リーダーシップを持ち、お客さまを成功確率の高い結論に、導く必要があります。

受け身、待ち体質、御用聞き、伝言ゲーム。こうした姿勢で仕事をすれば楽かもしれませんが、私たちの存在価値は失われます。誰かが答えを出してくれるのを待つのではなく、問題を自分事化し、「一緒に考えましょう」と率先する姿勢が不可欠です。

一方、私たちの方が知識量で勝るからこそ、知識や優越感に溺れ、相手を置き去りにするようなリーダーシップにはならないよう、注意したいところです。

理解できない難解な言葉を使う。必要性がない最新トレンドを提案する。「あなたはこうあるべきだ」と決めつけて話す。このようなリーダーシップは、私たちが求めるリーダーシップではありません。また、自分たちに都合のいい方向に持っていくためにリーダーシップを誤用・悪用するのは以ての外です。

リーダーシップとは、社会やチームに対して行使されるもの。だからこそ、お客さまやチームメンバーから見える場所にいるリーダーシップが、私たちの理想です。

望ましい行動・態度の例

  1. 受け身や御用聞きを良しとせず、自分の考えや意見を示し続ける
  2. 相手の顔色を見るのではなく、相手が見てるゴールを一緒に見る
  3. 誰かの後ろに付くのではなく「いい仕事をしましょう」と並走し、導く
  4. ボールが来るのを待つのではなく、自分からボールを取りに行く
  5. 守ることばかり考えず、失敗を恐れずに先頭に立つ
  6. 例え経験不足でも、自分だからできるリーダーシップを考え、実行する
  7. 難解な言葉や概念の多用を避け、常に相手や周囲がついてきてるか確認する

4. ベストエフォート

サブキャッチは「期待を超えるためにベストを尽くす」。

難しい課題に直面すると、「○○だから仕方がない」と制約を勝手に作り、「ここまでしかできない」と決めてしまうことがあります。しかし本当にそうなのでしょうか。本当にこれ以上は無理なのでしょうか。ベストを尽くしたと胸を張って言えるほどに、考え抜いた結論なのでしょうか。

顧客の成功とは、言うは易し、行うは難しの典型です。顧客の成功を追及していれば、大きな障壁にぶつかること、すぐに結果ができないこと、困難な壁にぶつかることは、日常茶飯事でしょう。そんな時に必要なのは、勝手な制約を設けず、自由な発想で、ベストを尽くそうと、粘り強く考え、行動を続ける姿勢です。

「顧客や周囲がいう通りにやっていればいい」という発想では、ベストを尽くすことはできません。常に期待を超えることを考える。時には相手を驚かすくらいでもいいかもしれません。そんな「期待を超えよう」という気持ちが、ベストエフォートの原動力だと、私たちは考えます。

望ましい行動・態度の例

  1. もっとよいアイデアはないかと、最後の瞬間まで粘り続ける
  2. これでいいと満足せず、より大きな成果を目指す
  3. 正解はないと考え、常に批判的に見て、改善を試みる
  4. やったことがないからできないではなく、今の自分でもできることを考える
  5. 準備や学習を怠らず、最大の成果を得るための努力をする
  6. 相手の期待がどこにあるかを想像し、その期待を超えようとする
  7. 失敗したことではなく、期待を超えようとしなかったことを反省する

5. ホスピタリティ

サブキャッチは「びっくりするくらい気を利かせる」。

リンクアンドモチベーション社が提供する『モチベーションクラウド』で組織診断をすると、私たちの強みとして、「他者の尊重」に関する項目が必ず上位にきます。周囲への気遣い、協力を惜しまない姿勢、気の利いた対応を大切にする、社員たちの基本姿勢が反映されているのだと思います。この姿勢は、決して失いたくありません。

こうした人、つまり「気が利く人」になるために必要なのが、相手の目線に立つことです。逆に「~したつもり」という発言に象徴される自分目線では、決して気が利く人にはなれません。

UX(User Experience)、CX(Customer Experience)、EX(Emproeer Experience)など、近年拡張を続けているExperienceに関する概念に共通するのは、他者の体験を想像し、それに合わせて自らの行動を変えることです。これを平易に表現すれば「気を利かせる」ということに他なりません。「びっくりするくらい気が利いていた」という発言の裏には、最上級の体験デザインが提供された事実があるはずです。私たちは常にそのレベルのホスピタリティを当たり前のように目指したいと考えています。

望ましい行動・態度の例

  1. 自分の仕事の負荷ばかりでなく、相手の仕事の負荷も考慮し、行動を決める
  2. 相手が困りそうなこと、思いそうな不安・不満に対し、先回りして手を打つ
  3. 「つもり」を禁句とし、結果的に相手がどう思うかを常に重視する
  4. 自分のスタイルを押し通すのではなく、相手のスタイルに合わせる
  5. 常に心理負荷や体験プロセスの観点から考え、簡潔さを心がける
  6. 困ってそうな人がいたら見て見ぬ振りをせず、声をかけ、助ける
  7. 雑な仕事をよしとせず、細かなことに気を配れることを美徳とする

6. フェアネス

サブキャッチは、「正直・率直・実直・愚直・素直を美徳とする」。

人生の中で「多少ずる賢くても要領よく生きたい」という人に出会うことがあります。しかしそれは私たちの価値観とは真逆です。

例え不器用でも、例え要領が悪くても、胸を張ってフェアであり続けたい。人を騙したり、ミスリードを誘ったりするようなことはしない。偏った立場からの話をしない。都合が悪い情報を隠さない。決められたルールは守る。正直に話し、率直に応える。うまく行けば最短で成果が得られるズルい手法に目を向けず、実直に愚直に取り組む。

そんな当たり前のことを、当たり前に守りたいと思っています。

フェアさを大事にするというのは、短期目線ではなく長期目線を大事にすることです。アンフェアな行為で、短期的な利益を得ることはあるでしょう。しかし長期的には、失った信頼によって、自らの首が絞まる時がやってきます。フェアな行いを続けていれば、短期的には苦しい時があっても、長い時間をかけて信頼の資産が作られ、持続性のある評価が得られます。

フェアであろうと努めることによる大きなメリットがもう一つあります。それは、自然と豊富な知識が身に付くことです。なぜなら、知識不足ではフェアにはなれないからです。

様々な知識を有しているから、様々な角度から物事を検証し、自分に都合のいい話だけでなく、相手にとって都合がいい客観的な提案ができるのです。フェアであろうとすると、知識獲得から逃れることができなくなります。別の視点で言えば、知識獲得を怠ることは、フェアであることを諦めることだと、言えるかもしれません。

フェアネスとは、このような長期目線・信頼・知識を大切にする考え方を内包した言葉なのです。

望ましい行動・態度の例

  1. 自分に都合のいい話ばかりせず、適切に自己批判しながら、客観的に話す
  2. 上手くいけば得をするズルい方法より、地道だが確実な正攻法を選ぶ
  3. 事実を隠さずにありのままを伝えた上で、対策を考える
  4. 誤解を招いて誘導するような表現をせず、都合が悪いことも正直に伝える
  5. 安易に断言せず、より正確に伝わる表現を選択する
  6. 目の前の困難を回避することより、長い目で見て信頼を獲得できる方法を選ぶ
  7. 知識不足はアンフェアに直結すると考え、豊富な知識を得ようと努める

7. セルフラーニング

サブキャッチは「自ら学習し、自ら考え、自ら成長する」。

ベイジで仕事をしていると、自分なりの答えを持たず「どうすればいいですか?」と漠然と質問すると、「どうすればいいと思いますか?」と返ってきます。

長い目で見れば、正解を教えてもらうことより、自分の頭で考えることの方が、より重要です。自分の中で自問自答し、色々な角度から検証し、答え合わせをする。それを続けるから、論理思考力、創造力、共感力、そしてリーダーシップが養われます。一方で「考えることを促さない環境」にいると、どんどんと受け身体質、短期志向、視野狭窄、他責発想になっていきます。

ベイジには数々の知見を体系化する文化があります。社内には様々な教育コンテンツが存在します。でもこれらは「教えてください」という姿勢の人では、有効活用できないでしょう。

私たちは、義務教育の弊害である「先生病」と「正解病」を克服しなければなりません。「誰かに教えてもらわないと分からない」という先生病のままだと、自ら学んでいく人にドンドン置いていかれ、相対的に評価が下がっていきます。また、「正解を教えてもらわないとできない」という正解病は、思考停止の元凶です。

ナレッジワーカーもクリエイターも、求められるのは、正解が分からない、誰もやったことがない仕事を、自らの頭で考え、解決することです。これができる人ほど多くのチャンスが与えられ、それができない人にはチャンスが回ってこなくなります。セルフラーニングとは、ベイジが考えるそんなキャリア観を反映した言葉なのです。

望ましい行動・態度の例

  1. 知らないことがあれば放置せず、すぐ調べ、その日のうちに身に付ける
  2. 誰かが教えてくれるのを待つのではなく、自分から知識を取りに行く
  3. 学ばないことに危機感を覚え、学び続けられる方法を、考える
  4. 過去の知識ややり方の使い回しをよしとせず、新しい方法を貪欲に試す
  5. 基本を学ぶときは、暗記するのではなく、なぜ基本なのかを学ぶ
  6. フレームワークやテンプレートを盲信せず、自分の頭で考える
  7. 自分で学んだことを、他者にも共有し、学びを循環させる

※私たちが2022年9月まで掲げていた旧行動指針は、こちらのページより閲覧いただけます。全社員に当てはまる「プロフェッショナルの条件」という行動指針と、主に管理者やリーダー職が対象の「良い上司の条件」という2つの行動指針のご紹介です。

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