会社紹介
ビジュアルアイデンティティ
2022年11月、コーポレートサイトのリニューアルと共に、ロゴを含む新しいビジュアルアイデンティティが公開になりました。企業ロゴ、書体、配色、サブグラフィック、イラストシステムといったビジュアル要素について、それぞれの意図を解説します。
企業ロゴ
ロゴマークはbaigieの頭文字である「B」をモチーフにしつつ、使い方や見る人によって解釈が異なるような造形であることを意識して、デザインしました。そのロゴタイプの世界観とうまくマッチするロゴタイプも、オリジナルで作成しました。
このロゴマーク、縮小して小さく表示させている段階では、立体的な造形のロゴに見えるでしょう。しかしロゴを拡大すると、ベクターデータで作られていることが分かります。サイズによって3次元的に見えたり、2次元的に見えたりするというのは、リアル空間とバーチャル空間を繋ぐためのウェブサイトを作っている私たちに相応しい、面白いギミックだと考えています。
また、Bを形作っているラインが行き交う様子は、情報が行き交い、循環している様子にも見えます。私たちは情報発信に定評がありますが、発信した情報が世の中に循環していく様を、このロゴが表現しているようにも受け取れます。
さらに、Bを構成する2つの丸の繋がりは、私たちとお客さま、お客さまとその先にいるエンドユーザー、会社と社員、会社と社会など、ベイジという会社が内包している様々な人との繋がりを表現しているようにも見えます。
全体の雰囲気としては、曲線が多く柔らかい印象を持つ人もいるかもしれませんが、金属的でソリッドな印象を持つ人もいるかもしれません。
こうした様々な解釈が可能であることに対して、ベイジとして、何か特定の印象に導こうという考えは持っていません。このロゴを見てどう感じ、どう解釈するかは、見る人に委ねたいと思っています。それは、ブランドイメージというものが、そもそもそういう性質のものだと捉えているからです。
ブランドイメージは、人それぞれの頭の中にあるもので、企業側が正確にコントロールできるものではありません。当然、ロゴの印象だけで作られるものでもありません。
有名企業がロゴをリニューアルすると賛否が沸き起こりますが、ブランド資産の分厚い著名企業であればあるほど、良くも悪くも、ロゴそのもので業績が変わったり、ブランドイメージが大きく変わるようなことは、基本的に起こりえません。
なぜならその企業に対するブランドイメージとは、その企業が提供するサービス、利用体験、活動姿勢、社員、そのすべてのコンテクストが複雑に絡まり、それを受け手である一人一人の価値観のフィルターを通し、頭の中で形成されるものだからです。だから人によって解釈が異なる、多面性を有しているわけです。
ロゴに対する機能的な期待としては、メンタルアベイラビリティ(思い出しやすさ)があります。このロゴをデザインする際にも、メンタルアベイラビリティは意識していました。しかし私たちのように一般的には知られておらず、BtoBの無形商材を扱っている企業にとって、そのことはビジネスに大きなインパクトを与えるものでもありません。
だから、企業ロゴに対して説明的に意味付けするのではなく、私たち自身が「これが良い」「これなら誇らしく思える」「私たちらしいと感じられる」といった感覚を重視して、ロゴをデザインしていきました。
またブランドイメージとは、人それぞれ異なるものだからこそ、ブランドの象徴的なシンボルである企業ロゴにも強い意味を持たせず、見た人がある程度自由に捉えることができる「解釈の幅」が生まれるものを求めました。
なお、ロゴの制作は、Mr.CHEESECAKE、CAMPFIRE、LUUP、青山ブックセンター、10X、パークシャーテクノロジーなど、数々の著名ブランドのロゴを手掛ける、kern inc.のオオタタカヤ氏に依頼しました。検討は2020年から始まり、約1年かけて制作されています。オオタさんはじめkern inc.の皆様、本当にありがとうございました。
また、今回のロゴやブランディングに対する私たちの考え方については、こちらの記事もご覧ください。
書体
企業ロゴの刷新に伴って、会社として推奨する書体も定義しました。制定書体を用いることで、視覚的に一貫性を保ちながら自社のトーンを表現します。
ウェブ制作会社であるわたしたちが、ブラウザやディスプレイ上で機能するフォントを使うことは、今回の書体選定において最重要視した項目です。ロゴタイプのフォントを、企業制定書体としてロゴ以外でも使用できることを念頭に置き、下記のような基準で選定を行いました。
- ウェブフォントとしてロゴ以外でも使用可能
- 小さなディスプレイでも滲みが発生しづらい
- ウエイトが充実しており、見出しや本文などあらゆる箇所で使いやすい
- 個別に細かくカーニングをしなくても綺麗に組みやすい
上記のような条件で選定を行うと、必然的に使える書体は絞られ、またスクリプト体や古典的なロマン体など、書体そのものの形状が特徴的なものは省かれていきます。しかし、中長期的に用いることでロゴタイプ/フォント単体でもベイジ固有の制定書体であること を認識付ける「ほどよい」特徴をもつ書体を選定しています。
和文書体は、りょうゴシック PlusN(Adobe Fonts)を使用します。制定書体が利用できない場合は、代替書体のNoto Sans Japanese(Google Fonts)を使用します。
ブランドカラー
企業ロゴの刷新に伴って、新しい雰囲気に合うような会社として推奨する配色も定義しました。ベイジは、言語イメージスケール(©小林重順/日本カラーデザイン研究所)だと、ダンディ(誠実な、真面目な)〜モダン(理知的な、賢い、緻密な、精密な)のイメージを狙います。それらを「Core colors」と定義しました。
コンテンツの企画によっては、例外的にポップなテイストにしたり、カジュアルなテイストにしたり、ということが起こるので、「Secondary colors」と定義しています。
サブグラフィック
企業ロゴの刷新に伴って、ロゴと合わせて使用するサブグラフィックも定義しました。アナログとデジタル、平面と立体の要素を複合させることによって生まれたロゴに合わせ、ネットワークの糸のつながりを表現した線を基調としています。
ベイジを支える7つの行動原則にちなみ、1〜7つの点からなる7種類の図形のシリーズで制作しました。この図形をオンラインMTGの壁紙やPowerPointなど全社のアイテムに使い、ビジュアル全体の統一感を出せるようにしています。
イラスト
企業ロゴの刷新に伴って、ロゴと合わせて使用するイラストも定義しました。シャープで控えめかつ、親しみやすさも感じさせるような、ベイジらしい印象を追求しています。
ベイジは実際に真面目な会社ですが、それでいて親しみやすく温かい人柄の人が多い会社です。Slackやリアルコミュニケーションなどではワイワイとしたやり取りも行われており、実際の様子を知らない人に驚かれたこともあります。そんなベイジの適度に真面目で適度に緩い雰囲気も再現しました。
イラストシステムは、後日解説ページとともに公開予定です。
写真
写真も、新しい世界感に合うように、立体感がある、その人に応じた佇まいで、周りの雰囲気も取り込むようなに撮影しています。(撮影: カトウアラタさん)
アイテム
企業ロゴの刷新に伴って、名刺やオンラインミーティング用の壁紙など、様々なアイテムをリニューアルしました。
※残りのアイテムは、近日公開予定です。