納得感のあるデザイン提案のポイント

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デザイナー 岡本 早樹

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顧客へのデザイン提案の際に、説明や議論がうまくできず悩んだことがあるデザイナーは多いだろう。私もその一人だが、下記のような工夫をすることで以前よりもデザインの提案や議論がしやすくなった。

①意図をはっきりさせる

まず、自分の制作物に対して、プロジェクトメンバーからレビューをもらい、事前に質問が来そうな部分を洗い出した。その質問に対しての回答やアウトプットの意図をメモしてから提案に臨むようにした。

そして、会議の場では顧客から意見が来たら、必ずその意図も確認するようにした。こうすることで、顧客からの意見をただ飲むのではなく、互いの考えを共有し、目的に沿った協議がしやすくなる。

「一旦持ち帰って調整します」と言わず、その場で粘る

意図を聞こうにも、顧客側も「なぜか分からないが違和感がある……」といった反応になってしまう時や、顧客の言っている意図が納得できない時もある。

以前の私は、こういった反応をされると良く理解できないまますぐに持ち帰ろうとしていた。「理解できない私がおかしいのかもしれない」「私の理解度が足りないだけで時間を取ってしまっている」と萎縮していたからだ。

しかし、今は「私の理解が足りていないのかもしれませんが……」と前置きを入れて、理解できるまで確認したり、「つまり〇〇なところが引っかかっているのでしょうか?」と会話したりするようになった。

もちろん、顧客が私たちと前向きに議論してくださっているからできることではある。とはいえ、どんな会議でも、変に委縮するよりは、せっかく会議時間をいただいているのだから、その場でできる限り決めきる意識が必要だろう。

合理的な理由のない領域は、実物を見せる

時には、合理的な理由がなく、説明しにくい部分もある。

例えば、あるサイトでは一般的なレイアウトではなく、少数派のレイアウトを採用した部分があった。私としては、サイトの雰囲気を踏まえ、空気感を出すためにそのようなレイアウトにしたのだが、感覚的な判断によるものだ。

こういった時は、すべて言葉で説明しようとせずに、実物を見せるのが早い。上記の例で、一般的なレイアウトと採用したレイアウトの両方を見せ、私の主観も説明すると顧客は納得してくれた。

合理的な理由のない部分について、あたかもそれっぽい理由を並べても納得感は無い。自分の主観で判断したことを伝え、その判断の過程をその場で体感してもらった方がスムーズに進む場合もあるのだ。

最後に

顧客が相手だからといって、全ての意見をそのまま受け入れたり、遠慮しすぎたりすると、よいアウトプットには到達しないと感じている。重要なのは、目的を忘れずに議論・判断することと、正直に質問したり説明したりすることだと思う。

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