チームワークに効く「自己開示」という薬

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ライター 西岡 紀子

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最近ビジネスの文脈でも「自己開示」という言葉をよく見かけるようになった。

自己開示(じこかいじ、英語: self-disclosure)とは、1971年、臨床心理学者シドニー・ジュラード (Sydney Jourard) によってはじめて用いられ言語という手段により自分自身に関する情報を、とくに意図を込めることなくありのままに伝えることとされる

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実際に仕事の場でも「自己開示はチームづくりに効き目があるのでは?」と感じた経験がある。

発言のブレーキ解除に効く

2か月前からベイジで 坂井風太さん(@fuuuuuta21)のマネジメント研修を受けている。講師である坂井さんはとにかくよく自己開示をされる方だ。「以前~という失敗をしちゃって」「育った環境が~だったので」など、ちょっと言いづらいようなネガティブなことでも、さらっとオープンにしてくれる。

自分の価値観や経験など、パーソナルなことを人前で話すのはなかなかハードルが高い。そこで上司や講師など、その場でのパワーバランスが上位にいる人が「自分の場合は~」と自己開示すると、「こんなことを話したらどう思われるだろうか」という発言への不安を軽減できる。

実際に研修の場ではメンバーの発言が活発になり、それがさらなる安心感につながるという安心のループが生まれている。

メンバーの「隠れた苦手」に効く

あるときチームのひとりが「実はマルチタスクが苦手」と打ち明けてくれた。多種多様なタスクが同時並行になってくるとストレスを感じやすくなるそうだ。

恥ずかしながら私はそのメンバーの苦手に気づけていなかった。というのも、そのメンバーはいつも難なくマルチタスクをこなしているように見えていたからだ。これを知ってからメンバーのタスクの軽重をより意識して調整するようになった。

誰かの苦手は他の誰かの強みなこともある。メンバーの特性や苦手を知れたら互いにサポートできる。私も「実はコレが苦手です」とオープンにするようにしており、今のところ周囲は快くサポートしてくれている。

コミュニケーションのツボに効く

自分にそのつもりはなくても、無意識の言動で相手のモチベーションを下げたり気力をそいでしまった…。誰もが一度や二度は、こんな経験があるだろう。

先日リーダーのひとりが「『この人は私に関心がない』と思うと無気力になってしまう」と話してくれた。こうやって相手がなにに不安を感じるのか、どんなときにイラッとくるのかなどわかれば、コミュニケーションの無意識なノイズを減らすことができる。

私は人間関係でストレスを感じやすいので、相手の感じ方や癖がわかるとコツをおさえて接することができて、とても助かる。ちょっとした心がけで自分も相手もごきげんに仕事ができるなら一挙両得だ。

自己開示は用法・容量を守るのが大切

といっても、自分の話ばかり一方的に押しつけたり、メンバーに「話さないといけない」とプレッシャーを与えるのは禁物だ。大切なのは、それぞれが健康的に働ける環境をつくること。

新入社員や若手メンバーは、自分の苦手や不得意などをオープンにしづらいこともあるだろう。日常業務の中で上司やリーダーが率先して「実は自分も~」と自己開示すると、よりよいチームワークをつくるきっかけになるかもしれない。

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