仕事ができる人は、自分の「弱さ」を利用する

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コンテンツディレクター 西岡 紀子

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私たちはもっと、意識的に「自分の特性を生かした仕事術」を編み出してもいいのではないか。

こう思ったきっかけは、ある同僚のエピソード。彼は社内イベントの発表資料を準備する中で、「どうすれば飽きずに聞いてもらえるか」「どうすれば心に残るか」を自然に考えていたそうだが、その発想の源泉が「人からどう見られるかが気になる」という特性にあると気づいたらしい。

「何を話すか」ではなく「相手にどう感じてもらいたいか」から逆算する発想は、顧客への提案にも転用できる。弱さだと思っていた特性が、仕事で活きるスキルへと転換した瞬間だ。

強みより「弱さ」に、目を向けよう

「特性を活かす」と聞くと、「計画を立てるのが好き」「コツコツ続けられる」といったポジティブな長所を思い浮かべがちだ。しかしそういった強みは、すでに無意識のうちに使えていることが多い。

むしろレバレッジが効くのは、「周りの目が気になる」「上司に注意されるのが怖い」「失敗したら自分がイヤになる」といった、一見ネガティブな特性の方かもしれない。

後ろ向きな感情で仕事をするなんて…と抵抗を感じる人もいるだろう。ただ、仕事の評価は自分ではなく他者が、プロセスではなく成果に対して下すものだ。とすれば、動機はポジティブでもネガティブでも構わない。その特性が良い行動を引き出してプラスを生むなら、立派な武器になる。

「弱さ」の数だけ、武器がある

冒頭の同僚は「周りの目が気になる」を相手視点の解像度に変えた。別の同僚、社内でも有能と評判のデザイナーは、あらゆる仕事の準備をとことん行う。ファシリテーターを務めたあるイベントでは、リハーサルだけで数時間をかけたそうだ。本人いわく「失敗したら二度とやりたくなくなるから、めちゃくちゃ準備する」らしいが、それが先手・計画・段取りのスキルに転換されているのだ。また、上司への注意を誰より恐れるタイプが、確認を怠らず最後まで質を上げきる粘りを持つこともある。

弱さの種類が違えば、そこから生まれる武器も違う。自分だけの武器は、意外と弱さの中に眠っているのではないか。

特性と行動の「ベストな配線」を探す

ただし特性をどんな行動とつなげるかで、武器にも弱みにもなる。たとえば「怒られるのが怖い」特性と「自分の判断でぐいぐい進める」行動の組み合わせだと、恐れだけが募って空回りする。

特性を活かすとは、その感情や動機が自然と良い行動を引き出す回路を見つけることだ。弱さをなくそうとするより、その弱さが成果につながる配線を探す方がずっと生産的だ

最近どうも仕事の手ごたえが薄い、成長速度が落ちている気がする…そんなときこそ、自分の弱さだと思っていた特性をあらためて眺めてみるといいかもしれない。そこに、まだ使えていない武器が眠っているはずだ。

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