余計なコストをかけないデザイン制作

高塚 結子のプロフィール画像
デザイナー 高塚 結子

445 view

はじめに

ある案件でデザインを制作した際に、これまでの方法から一新してタスクを細かく切り分ける方法で行うことにした。この方法を試した結果、メリットが多くあったのでまとめてみることにした。

無駄だらけの制作方法

まず、これまで進め方について。ひとことで言えば非常に無駄が多い進め方だった。例えば、

  • バッファを多く見込みすぎる
  • ギリギリまで時間をかけて悩むことの常態化
  • 悩んだらとりあえず後回しですべてが中途半端

といった感じで、制約もかけずにただただ時間とコストがかかるだけ、クオリティは一向に上がらずという状態だった。その点が問題提起として社内で掲げられ、実践的に次の方法を試すことになった。

実践した進め方

というわけで、以下の方法を取り組むことにした。まず目標は5日間。ベースデザイン、バリエーション作成、提案資料作成まですべてをやりきるというものだった。具体的なスケジュールとしては次のような内容だ。

  • 1日目 … UIを全て固める
  • 2日目 … UIのブラッシュアップ・イメージ画像の配置
  • 3日目 … 方向性のバリエーション作成
  • 4日目 … 下層画面展開
  • 5日目 … 提案資料作成

当初この進め方を聞いたとき、ものすごい時間を使っていた自分にとって不安要素の方が強かったが、結果として効率が格段に上がった。

なぜ効率が向上したのか

1番の要因は「1人で完結させようとしない」という意識の問題だろうか。もちろん、1人で制作で完結させるに越したことはない。しかし1人で行うと視野が狭くなる。そういったときに、フィードバックをこまめにもらうと新たな気づきが得られた。そのおかげで、すぐにアイデアを制作物に落とし込めるので立ち尽くす時間が大幅に減った。

これまではすべてが中途半端な感じを払拭できなかったが、今回のように上部(ヘッダ)から公開レベルのデザインを作っていくことで、無駄を省けたのだと思う。

最後に

私自身の性格にもよるが、全貌が見えていないと不安を感じる。それを取り除くかのように全体をざっくりと作って勝手に安心していた。しかし、かえってゴールから遠ざかっていた。だが「ゴールを決める」ことを実践的に取り組むことが大事だと気づいた。

また、この方法以外によかったこと。それは事前のイメージ共有+デザイントレース。イメージ共有は言わずもがな認識違いが生じるのを防ぎ、色々な意見に振り回されることを防ぐことができる。トレースではレイアウト・配色などに新たな発見があり、活かすことができる。このように前段で何をするかによって、作業の進みが違ってくるので「後回しにしない」を徹底することが大事だと思う。

とにかく、今までのやり方に固執せずに常に疑問を持ち続ける姿勢を持っていきたい。

関連する日報

    イベントレポート:ユーザーインタビュー講座体験記

    478 view

    塚元 舞賀のプロフィール画像
    塚元 舞賀 デザイナー
    デザイナーはビジネスオンチになるな

    11,282 view

    枌谷 力のプロフィール画像
    枌谷 力 代表取締役
    コピーはファクト型?ベネフィット型?

    685 view

    林崎 優吾のプロフィール画像
    林崎 優吾 ライター
    デザイナーが企業に提供する価値とは何か?

    1,244 view

    池田 彩華のプロフィール画像
    池田 彩華 デザイナー
    デザイナーの意思決定を助けるエンジニアでありたい

    718 view

    竹内 快斗のプロフィール画像
    竹内 快斗 エンジニア
上に戻る