本文にWebフォントを適応するのはいいことなのか?

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デザイナー 池田 彩華

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以前担当した案件で、Webフォントの適用範囲に迷うものがあった。

その案件ではブランドガイドラインで推奨フォントが定められていた。それに沿ってデザインを進めていたのだが、その推奨フォントは、Webフォントを使用する必要があった。

見出しやキャッチコピーに推奨フォントを使うのはさておき、本文にまで使用するかどうかで迷ったので、クライアントに確認する前に先輩デザイナーに相談したところ「そもそもクライアントに決定を委ねる必要があるのか」と指摘を受けた。

Webフォントは以下のようなデメリットもある。

  • ユーザーにとって見慣れない書体は認知容易性に欠ける
  • 通信環境によってはWebフォントの読み込み速度が遅くなることもある
  • デバイスフォントからWebフォントに切り替わる際カタツキなどが発生することもある
  • 一部のフォントはブラウザによってはかすれて見えるなど環境差異が起こる可能性が高い

また、書体でブランド全体の印象が左右されることはほとんど無いので、本文にまでWebフォントにするメリットは全くない。むしろ悪手になりそうだ。

そのため、この点に関してはクライアントに選択肢を与えたり、お伺いを立てたりするのではなく「本文はデバイスフォントにすべきなのでデバイスフォントで進めます」と制作側が決定し、その前提で話をすべきだと教わった。

Web制作をしていると、今回のようにクライアントのルールや意向がユーザーにとってはデメリットになるケースも見られる。

しかし、Webサイトのターゲットはあくまでもユーザーだ。思考停止になってクライアントの意向を受け入れるのではなく、ユーザーにとってのメリット・デメリットを考え、ユーザーにとって望ましくない方向に話が進むことは絶対に避けるよう気を付けていきたい。

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