「すみません」という呪い

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デザイナー 塚元 舞賀

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新人のデザイナーさんに「あいさつ代わりに『すみません』と言うのはやめようね」と話した。

わたしも新人時代は「できない」、「間に合わない」、「どうしたらいいかわからない」が心の中の口グセだった。不安を言葉にすることで気持ちが楽になるのだと思っていた。

しかし、やってみたら意外とできてしまうこともできない気になってしまったり、ますます不安が助長したりと結果的に自分の足を引っ張っていたように思う。

わたしがそうだったから、ということもあり、できるだけ自分に言葉の呪いをかけないようにしてほしくて新人のデザイナーさんにそういう話をした。

なにかあるごとに「すみません」と言っていると謝りグセがついてしまうし、無意識のうちに自分が悪いような気になってしまう。叱られたり、自分のミスではないときは不用意に謝る必要はない(時と場合によるが)。

また、フィードバックをもらったとき、ふとしたはずみで「すみません」を使ってしまうことがある。これも、フィードバックをした側はできなかったことに対して叱っているのではなく、より良くなるようにとアドバイスをくれただけなので、同じように謝る必要はない。

素直に「ありがとうございます」でいいのだと思う。

自分がフィードバックをする側になって気付いたことだが、アドバイスや指摘に対して「すみません」と相手を謝らせる気は全くない。自分では気付かなかった、そんな考え方もあるのかくらいに受け止めて「ありがとうございます」と言ってもらえた方が断然嬉しい。

「自己暗示」という言葉があるが、言葉は良くも悪くも自分を縛る。ポジティブな言葉は自分を鼓舞してくれるし、ネガティブな言葉は自分の足を引っ張ってくる。

新人のデザイナーさんにとって、心持ちやマインド面もデザインの技術や知識とあわせて重要なスキルなので、少しずつでも伝えていければと思う。

ちなみに、わたしは提案前などの勝負所は鬼滅の刃の炭治郎みたいに「わたしは長女だからできる、やれる」と自分に言い聞かせている。本当にやれるようになるのでおススメです。

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