ディレクターは良き日本語警察であれ

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コンサルタント 川村 将人

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日本語警察という言葉がある。

主に日常会話の中で、ちょっとした言葉の使い方や文法の間違いをいちいち指摘する人を揶揄する言葉だ(と認識している)。

日常会話においては、その場の雰囲気を共有したり会話の流れを楽しむことに重きが置かれるので、多少は言葉が不正確でも問題ない。そんな中、相手の気持ちや場の雰囲気より「日本語が正しいこと」を重視して会話を壊す人は嫌われてしまう。

一方で仕事における会話では、不正確な言葉や曖昧な言葉は使うべきではない。なぜなら、全員が限られた時間の中で効率よく意思疎通できるかが、プロジェクト成功の鍵になるからである。

先日の業務でも、「最終確認」という言葉の使い方が問題になった。以下のような形だ。

Aさん:1週間後の中間納品前の確認。近々でやらねばならない
Bさん:1年後の最終納品前の確認。その時にやれば良い

このときは、すぐにお互いが齟齬に気づいて認識のすり合わせを行えたのでトラブルには発展しなかった。ちなみに認識としてはAさんが正しかったもののの、理想としては「1週間後の中間納品前の確認では~」などと、多少は長くなってもいいので間違った認識をされにくい言葉使いをすべきだ。

しかし、仕事をしているとこのような場面は多々見られる。これを防ぐためには曖昧な言葉を使わないことが1番だが、とはいえそれをゼロにするのは非現実的だ。

そこで大事なのがディレクターの立ち回りだ。各スタッフに言葉による認識違いが起きていないかどうかをチェックすればいい。

これは頭の回転の速さや業務経験値はそこまで必要ではない。ただ気をつけるかどうかだけの差だ。それだけで未然に事故を防ぐことができる。

例えば誤解を生みそうな言葉があれば「Aさんの言う◯◯◯◯とは、~という意味ですか?」と質問すれば良い。それだけだ。

そう考えると、仕事上の会話は事故を防ぐチャンスに溢れているし、日本語を大事にする習慣化のレッスンにもなる。個別の事象は小さいかもしれないが、これを続けるかおろそかにするかで最終的な業務品質が大きく左右されると思っている。

日々気を抜かず、良い意味での日本語警察となるよう励んでいきたい。

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