守破離の守をリモートワークで教えるには?

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デザイナー 塚元 舞賀

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新人デザイナーさんとの会話の中で「守破離」を紹介した。ビジネスやスポーツの場において、人の成長プロセスを説明する際によく用いられる言葉で、昔からある教訓のようなものだ。型破り、型なしの言葉もこの守破離から来ているようで、個人的にはとても好きな考え方である。

話を戻すと、技術習得においては「守」「破」「離」の3つの段階があり、それぞれ次のような意味を持つ。

守:師匠や流派の教え、型、技を忠実に守り基礎を固める段階(徹底的にパクる期)
破:鍛錬や経験を重ね、教わった型や技を自分流にアレンジする段階(試行錯誤期)
離:基本の方は守りつつ、新たな型を開拓する段階(新たな流派を創造期)
※カッコ内はわたしの独自解釈

独自解釈にはなるが、「守」のフェーズは先輩の働きぶりを徹底的にパクる期間だと思っていて、文章の書き方から手の動かし方までとにかく真似してみることが大事だと思っている。

ただリモートが主流になり、対面コミュニケーションが減りつつある現代で「守」はどう取り組んでいくのがいいのだろう。

先輩の一挙手一投足を見たい(見せたい)のは山々なのだが、見えない(見せられない)のだ。

デザインツールの話で言えば、Figmaは動かしているカーソルが見えるので、先輩の手の動かし方は擬似的に体験できるが、ショートカットの使い方やマウスの使い方みたいな「手元の情報」まではさすがに見えない。

しかし、新人デザイナーがまず覚えるべきはショートカットなどの手元の情報だ。わたし自身も実際の使い方を見せてもらって覚えることが多かったので、まずここが最初のハードルだなと感じている。

逆に、このハードルを既にクリアしている中途入社組は、気軽に共同編集できるリモートの方が教育コストが下がる気がしている。

ノウハウがまだ貯まっていないこともあるが、リモートワークではフィジカル面での指導効率はやっぱり下がるなあ…と感じているのが実情だ。「ちょっと動かして見せて?」と後ろからこっそり見るができないのは中々に痛い。

また、パクられる側の教え方・考え方も改めないといけない。

感覚でやってきたことをできるだけ言語化したり、解説をビジュアライズして見せたりとフィジカル面で不足する情報を別の方法で補っていかないといけない。

これらの点は多くの社員が試行錯誤している段階なので、コツが掴めてノウハウ化できれば組織としても個人としても大きなアドバンテージになることは間違いないだろう。

新人さんに対して混乱させない範囲で色々な手法を試してみたい。 

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