ChatGPTを読書の味方にする

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デザイナー 山崎 勝椰

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最近、分厚めの本を読むときはChatGPTを使って事前に本の内容をある程度要約してもらってから読むようにしているのだが、頭にスッと内容が入りやすくなったように感じる。やり方としては、以前、枌谷さんが社内で書評を紹介するときの書籍レビューの方法として紹介してくれたChatGPTに目次を読み込ませて要約してもらう、というものだ。

実践してみた本と具体的な手順

実際に最近「About Face インタラクションデザインの本質」という本を読み始めたのだが、ざっくり以下のような手順で試してみた。

  1. 目次を読み込ませて各章ごとに要約
  2. 「この本が伝えたいことをポイントを絞ってわかりやすく教えて欲しい」と依頼

結果として、ChatGPTは本の内容を3つの部に分けて要約してくれた。各部の要点や伝えたいことを簡潔にまとめてくれたおかげで、本の全体像がつかみやすくなった。

ChatGPTのアウトプット例

最終的なChatGPTのアウトプット例を一部ご紹介する。

第1部 ゴールダイレクテッド・デザイン

【伝えたいこと】

この部は、ユーザーの「ゴール(目標)」を中心に据えたデザインアプローチの重要性を説いています。製品のデザインは、ユーザーのニーズや課題を解決するためのものであり、開発者やデザイナーが自分の視点だけでなく、ユーザーの立場から製品を批判する必要があると強調しています。

  • ゴールダイレクテッド・デザインは、ペルソナ(ユーザー像)を用いてユーザーの目標や行動を冷静に考えたデザインを行うアプローチです。この方法により、単純に使いやすいだけでなく、ユーザーの本質的な課題を解決する製品を作ることができるという考え方を紹介しています。
  • チームワークスケジュール作成中に、デザインプロセスを議事に進め、目標を共有しながら創造的なソリューションを提供する方法もこの部で強調されます。

【要点】

デザインの核は「ユーザーのゴール」にある。製品はユーザー問題の解決を目的に設計されるべきで、そのためには視点や視点を活用したユーザー中心のアプローチが必要。

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まとめ

  • 第 1 部: デザインの中心はユーザーのゴールにあり、そのゴールを理解してデザインすることが重要です。
  • 第 2 部: デザインはユーザーにとって自然で使いやすく、直感的に操作できるものは契約不要です。そのためには、ユーザーに合わせた行動の設計が大切です。
  • 第 3 部: 各デバイスやプラットフォームに対応した詳細なインタラクションデザインが必要であり、UI 要素のデザインには特に注意を払うべきです。

全体感を掴むことの重要性

この本は21章あり、目次だけでもボリュームがあるのだが、このようにまとめてもらうと内容の全体感を捉えやすくなる。そのため、本を読み進めたときに章ごとの内容が「この部分を詳しく説明しているのね」と理解しながら読み進めることができる。

実際に学習理論でも「先行オーガナイザー」という概念がある。これは、先に「枠組み」を把握してからの方が、その枠組みと照らし合わせながら学習するため、理解が進みやすくなるという理論だ。つまり、枠組みとなる全体感を先に掴むことはどんな学習においても重要と言えるだろう。

難解な本も苦痛なく読める可能性

学術書など目次を見ても本の内容がいまいちピンとこない時は、ChatGPTを使ってもう少し全体感(枠組み)を把握しやすくすると、苦痛を感じずに読み進めることができるのかもしれない。

この方法を試してみると、本の内容がより深く理解できるだけでなく、読書自体がより楽しくなる可能性がある。みなさんも次に難しい本に挑戦するときはChatGPTを味方につけてみてはどうだろうか。

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