ビジュアルデザインは無理に全部説明しようとしない

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デザイナー 岡本 早樹

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どんな案件でもウェブデザイナーとして働く以上顧客へのデザイン提案があるだろう。

その中でビジュアルデザイン全てに理由がなければと考えすぎてしまい、説得力のないこじつけの説明になってしまうことがよくある。

例えば以下のような説明

「真面目で堅実な印象を与えたいので、伝えたいことがシンプルに伝わるレイアウトにしました」

そもそもこういった「真面目で堅実な印象」みたいなものをこれといったビジュアルデザインだけで伝えることは不可能だ。

「真面目で堅実だ」とユーザーが感じるのは、ウェブサイトのコンテンツ内容や量、またウェブだけではなくその企業が提供する様々な情報に触れて総合的に判断されるものだ。この例のように無理にビジュアルデザインに絡めて説明してもこじつけになってしまい、結果説得力のない説明になってしまう。

全てに理由がなければと考えるあまり、無理にでも理由をつけようとしていたが論理的に説明できない部分こそプロであるデザイナーのセンスに委ねられているだろう。

また顧客提案はこちらが一方的にデザインを提案して納得してもらう場ではなく、顧客とコミュニケーションをとりながら共に創り上げていく場だ。そのため、「〇〇な印象を与えるのは〇〇するのがいいと、私は思いました」「〇〇がいいと思ったのですが、私も迷っているのでご意見を伺いたいです」と自分の主観や意見であることを正直に伝えればよい。

ではデザイン提案でどこまで説明するべきか?の判断軸として以下の2点をアドバイスいただいた。

  • 説明できる領域か、そうではない領域かをはっきりさせる

具体的な根拠や裏付けがあるものなのか、それとも個人の主観など明確に説明できないものなのかを分けて伝えることで信憑性のある提案ができる。

  • 伝える情報の優先順位を考える

細かい要素単位の説明ではなく、ビジュアルデザインを通じてユーザーに一番感じてもらいたい印象について説明するとわかりやすい説明になる。なんでも説明しようとすると情報が盛りだくさんになってしまい本来伝えたい内容がぼやけてしまう。

プロであれば全てが説明できるべきと考えていたが、絶対的な正解が無いデザインに関して無理に説明しようとすると逆に信頼を失ってしまう可能性もある。今回学んだことを意識して、デザイナーとしての意見を主張しつつ顧客と議論しながらより良いものを創り上げられるようにしていきたい。

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