毒にも薬にもなる「なぜ?」のタイミング

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エンジニア 瀬尾 友里恵

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同僚や部下が重要な案件でミスをした時、あなたは最初に何を口にするだろうか。

「なぜこうなったのか?」それとも「まず何をすべきか?」——この違いが、その後のチーム関係を大きく左右すると思う。

こんなケースを見たことがないだろうか。締切直前のプレゼン資料に致命的なミスが発覚。報告を受けたリーダーが開口一番、「なぜチェックしなかったんだ?」と問い詰める。ミスした担当者は萎縮し、チーム全体の空気が重くなる。結局、問題解決に集中すべき貴重な時間が、責任追及に費やされてしまう。

「なぜ」の矛先が微妙にずれている

最近気になっているのは、何かトラブルが起きた時の「なぜ」の矛先が微妙にずれているケースがあることだ。今その場で繰り返し問いただしたり、フィードバックしても意味がないんじゃないかと感じることがある。

たとえば、「なぜその時○○をしなかったのか」という場面があったとする。こうした理詰めのような質問は後回しにして、まずは目の前の問題を解決するために時間やリソースを使うのが先決だと思う。

×「なぜミスしたのか?」(個人追及モード)
○「何が必要か?」(解決志向モード)

この切り替えができるかどうかで、チームの動き方が全く変わってくる。

落ち着いてから「なぜ」を考える

そのうえで落ち着いたタイミングで、「そもそもなんでこうなったんだっけ?」と改めて考えればいい。そのときも個人を追及するのではなく、解決に向けての議論という姿勢を崩さないようにしたい。

この辺りは、同じ質問でも似て非なるものなので、意識的に行う必要があると感じている。ミスした本人はただでさえ焦っていたり、いつもより繊細になっていることが多い。こちらも配慮しないと、必要な情報を拾いきれない場面もある。

火消し中の「なぜ」: チームを委縮させる
振り返りの「なぜ」: チームを成長させる

同じ言葉でも、タイミングと文脈で意味が180度変わる。

報告してくれる勇気に感謝する

ただ優しく振る舞いたいというわけではなく、誠意ある姿勢をわかりやすく示す方が状況によってはよいと思っている。そもそも、ミスや失敗を報告するだけでも勇気がいる行動だと思う。「怒られるかもしれない」「信頼を失うかもしれない」——そんな不安を抱えながらも、チームのために報告してくれるのだから。

その行動を共有してもらえるのはありがたいし、一緒に解決策を考えたい。また明日は我が身ではないが、私自身もいつ失敗するかわからない。

失敗を重ねてきたからこそ見えること

私自身、これまで仕事の中でミスや失敗を多く重ねてきていることもあり、他人のミスにはあまり動じなくなったなと感じる。ただし、自分の失敗となると話は別で、今でも非常に動揺する。

この経験があるからこそ、「なぜ」の使い方の重要性に気づけたのかもしれない。失敗した時の心境、萎縮してしまう瞬間、建設的な議論と追及の違い——全て身をもって体験してきた。

そのときは、うじうじ悩まずにすぐ報告できる人を見習って、素早く切り替えて動けるよう心がけたい。

明日から使える「魔法の一言」

ミスの報告を受けた時、最初の一言を変えるだけでチームの雰囲気は劇的に変わる。

×「なぜこうなったの?」
○「教えてくれてありがとう。まず何をすべき?」

たった一言の違いだが、受け取る側の心理的負担は雲泥の差だ。前者は過去への追及、後者は未来への行動。どちらがチームの成長につながるかは明らかだろう。

「なぜ」は確かに大切な質問だ。ただし、それを投げかけるタイミングと文脈を間違えると、チームの信頼関係に深刻な亀裂を生む可能性がある。

問題解決に集中し、落ち着いてから振り返る。この順番を意識するだけで、あなたのチームはもっと強くなれるはずだ。

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