営業パーソンとしてのレスポンスの重要性

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執行役員 / コンサルタント 今西 毅寿

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無敗営業シリーズで知られるTORiX株式会社の高橋浩一さんより、営業戦略についての講義を受ける機会があった。

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営業体制の改善と商談の成約率向上は、ベイジでも昨年から切実に議論されるテーマになっている。高橋さんの話は非常に洞察に富んでいて、経験に基づく説明に偏ることが多い「営業」の世界で、営業パーソンや顧客からのデータに基づいた説明をしており、非常に説得力のある内容だった。

またコンサルタント以外のメンバーにおいても、日々のプロジェクトで生かすことができるナレッジにもなったと思う。

迅速なレスポンスの重要性

営業1万人に調査を実施したところ、顧客が営業担当者との関係構築において重視しているのは、「対面商談で話した回数」に次いで、「レスポンスの速度」が2番目という結果だった。

この点は以前より社内で注意している点であり、自身が顧客の立場で営業を受けた経験からも、スピード感の無い対応をする営業には良い印象を抱かない実感がある。

遅いレスポンスは、顧客からすると「自分を優先してくれていない」という印象を与える。それでは契約後の明るい未来を予想するのも難しいだろう。

また驚くべきは、顧客が求めるレスポンスは「問題解決まで2日」という結果だった。しかし、顧客の80%以上がヒアリングから5営業日以内に最初の提案を望んでいることを踏まえると、提案内容が粗いとしても、ヒアリングの結果を盛り込んで早めに提案をするべきだ。

営業パーソンは試されている

顧客の立場からすると、初回の商談で全ての情報を丁寧に開示するのは難しい。簡単に社内情報を開示することは、リスクを伴うからだ。顧客が予算や社内の事情を明らかにしてくれない場合、それはまだ信頼が獲得できていない証拠だと捉えるべきだろう。

ある意味で商談の場は、顧客から「信頼できる相手なのか?」「自分たちに価値提供をしてくれそうか?」などがシビアに評価されるテストを受けているのだと認識しておいた方がいい。

また、営業にニーズや課題をはぐらかす理由として、「営業担当者の対応力を見たい」という動機が第二位にあったことは、顧客の実感に基づいたものだと感じる。

その場でのレスポンスが評価される

「この営業担当者は準備ができていると感じるのはどのような時か?」前述のアンケート結果によると、「こちらの質問や要望に対し、その場でスピーディーな対応があった時」という回答が多かった。

これは、商談に向けて情報を収集するだけでなく、自分の経験や知識を実際の商談の場で発揮できるかが問われていると解釈できる。

「持ち帰って確認します」という回答は、相手から「頼りない」「信頼できない」という印象を与えてしまう恐れもある。

それに対し、事前に顧客のビジネスや製品・サービスを詳しく調査し、それに基づいて予想される質問に対する答えを準備することで、その場でスムーズに対応することが可能となる。

「購買者の仮面」を外せるかどうか

初回の商談で雑談やカジュアルな話ができた方が、多くの情報を引き出せると感じる。顧客が購買者の「役割」を果たそうとするときに、どのようにして彼らの仮面を取り除くことができるかが営業パーソンとしては重要だ。

高橋さんからは、「今ここに時間を使っている理由」を問う核心質問をするとよいというアドバイスがあった。それは以下のようなものだ。

真の課題を理解する

「一見すると困っていないように見えるのですが…」(本当に困っていることは何なのでしょうか)

真の期待を理解する

「他にも選択肢はあるはずなのに…」(なぜ、当社に対して時間を割いてくださっているのでしょうか)

真の壁を理解する

「これまでも、課題の解決に向けて手を打ってこられていると思うのですが…」(なぜ、解決されないままに残っているのでしょうか)

これらの核心質問を「お忙しいと思いますので、一つだけよろしいですか?」といった枕詞とセットで顧客にぶつけることで、相手を「考えて話すモード」に切り替えることができるようになる。これは誰もが練習すれば実践可能なテクニックだと思う。

最後に

社内ではセールスに関する知識の共有と体系化を取り組み中であるが、高橋さんの講義を通じて得た営業に関する洞察と知識は非常に貴重だった。上記のポイントを含む様々な視点からのアプローチを続け、情報の整理と改善を進めていくようにしたい。

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