デザイナーになって約1年、お客さまのウェブサイト用の撮影現場に初めて立ち合った。フォトグラファーさんと現場でお仕事をするなかで学びが多々あったので、いくつか紹介したい。
初めての撮影案件ということもあり、少しビビりながら打ち合わせに臨んでいた私は、「こんなテイストでやってみたいのですが、どうでしょうか?」などとフォトグラファーさんに相談しながら準備を進めていた。そんな私に対し、フォトグラファーさんが以下のような助言をくださった。
過去の経験をもとに、撮影におけるディレクションとはどういうものかを色々と教えてくださった。もちろん全て自分で決めるのではなく、フォトグラファーさんに相談しながら進めるのが基本だと思うが、「どういう写真にしたいか」という方針はデザイナー側が決めることを忘れないようにしたい。
今回の撮影はフォトグラファーさんのスタジオで行ったため、本番前日にテスト撮影ができた。事前にお伝えしていた写真の方向性やトーンを再現するために何枚も撮影をしたり、撮影した写真を試しにデザインに当てはめてみたりした。すると、当初想定していた構図だとあまりしっくりこなかったため、構図やライティングなどを細かく調整した。
もしテスト撮影なしで当日の準備だけだったら、時間が足りずに細かい調整ができなかっただろうなと感じている。フォトグラファーさんも「テスト撮影で、細かい部分を詰めることができるかできないかで撮影のクオリティも大きく変わる」と仰っており、まさにその通りだなと思った。今後も撮影のときは、準備を全てフォトグラファーさん任せにせず、自分も積極的に関わるようにしたい。
これまでウェブサイトをデザインするときは、ある程度イメージを固めた後で、ストックフォトから良さそうな写真をピックアップしていた。しかし、ストックフォトを眺めなくてもどういう写真を撮りたいかを具体的に描けるようにしなくてはならないと今回の撮影で感じた。
自分が普段ストックフォトを眺めるのは、頭の中のイメージがかなり漠然としていて具体的に落とし込まれていないため、ストックフォトを眺めることで写真のテイストなどを具体的にしたいという理由が大きい。しかし、これだとストックフォト止まりの写真にしかならない。
広告代理店のADさんのディレクション資料では、ストックフォトの参考写真などはなく、手書きのイラストで被写体の位置や角度、光の入り方まで細かいレベルで指示が書かれているそうだ。おそらく頭の中に具体的なイメージがあるから、写真を使わなくても細かく指示が書けるのだろう。自分がすぐにその領域に達することはできないと思うが、最初からストックフォトを頼りにするのではなく、まずは手書きのラフレベルでどういう写真を撮りたいかを描けるようにしたい。
写真もウェブサイトの重要な要素の一つだ。初めての撮影で学んだことを今後の案件にも活かしながら、写真のディレクション力も向上させていきたい。