最近デザイナーとして、アイキャッチ画像※の制作を担当する機会が増えてきた。
ある程度制作経験を重ねると、アイキャッチ画像について勉強会を行ったり、人の制作物にフィードバックすることも多くなる。その都度、自分の業務について振り返ったり、制作プロセスを見直していたら、新たな発見や注意すべき点などが見えてきた。
今後の参考のためにも、自分なりのアイキャッチ画像作成時のポイントをまとめたいと思う。
※アイキャッチ画像とはSNSでシェアされた際にタイムラインなどに表示されるサムネイル画像のこと
私が担当している記事はSNS上、特にTwitterでシェアされるのを狙うことが多い。Twitterのタイムラインは、情報の移り変わりが早いうえに、内容もジャンルも様々だ。だからこそ、ユーザーが情報をつかみやすいように、アイキャッチ画像の見た目の強さ、つまり「人の目を引く表現」を考えることが重要になる。
この「人の目を引く表現」のために行っていることとして、日常的なインプット・アウトプットの工夫、技術的な面での工夫に分けて、少しご紹介したいと思う。
【日常的に行っているインプット・アウトプット】
【技術的な面での工夫】
記事の内容を的確に捉え、かつ人の目にとまる表現を考えるのは、かなり難しいことだ。コンセプトを踏まえつつ、適材適所の表現を考えられるように、新しい表現を探したり取り入れるようにしていきたい。
アイキャッチ画像の制作でやりがちなこととして、記事のタイトルをそのまま載せてしまうというのがあげられる。しかしこれでは、ユーザーが画像をぱっと見たときに、情報が正しく伝わらないことも多い。タイトルのレイアウトや言葉選び次第で、与える印象や内容の伝わりやすさは大きく違ってくるので、タイトルには時間をかけてこだわるようにしている。
全体に強弱を付けるパターン
特に強調したいところを目立たせるために、文字の大きさやデザインに違いを出している。
記事内の情報をタイトルに補足するパターン
タイトルだけではイメージが伝わりにくい場合、記事内から適切な言葉を補足して、記事の概要説明のような役割をアイキャッチ画像に持たせることもある。
記事のタイトル自体をアレンジしたパターン
この記事のタイトルは『仕事の選択肢を増やす、「キャリア資産」という考え方』。しかし、記事の中で重要な要素を簡潔に伝えるために、タイトル自体に少しアレンジを加えた。
アイキャッチ画像を作るとき一番に配慮すべきなのは、ユーザーが知りたい、と思う情報を端的にわかりやすく提示することだ。記事を読んだりセミナーに参加することでユーザーにどんなメリットが提供できるのかを考え、情報の取捨選択をしつつ取り入れていくように心がけたい。
自分が人にレクチャーする、という立場に立つと、日ごろの業務を見直したり深堀して考える必要が出てくる。自分の業務を客観視することで、普段だと発見できないような、自身の制作プロセスや苦手分野を改めて認識することができる。
先日、私自身のアイキャッチ画像制作術紹介という名目で、社外の方と共同で勉強会を開催した。
今回は対談形式ということで、他のデザイナーさんの制作の進め方やクオリティを上げるためのちょっとした小技なども知ることができた。面白かったのが、自分独自の工夫や進め方だと思っていたことでも、以下のように意外に共通点があること。
デザインには「これが絶対」というメソッドがなく、手探りな部分も多い。そんな中で制作への考え方や過程に共通点などを見つけると、それが1つの指標となり、自分に合った進め方を確立していけるような気がする。
OGP画像の制作では、どこでシェアされどんな情報が求められているのか、というユーザー視点が必要不可欠だ。このような視点は一人で黙々と作業しているだけではなかなか身につかない。情報収集や制作の経験を積むことに加え、積極的に意見交換の場などに参加して、「ニーズをおさえつつ、ユーザーを惹きつけるOGP画像」が作れるデザイナーを目指していきたい。