先日の昼礼で「自分で学ぶ力こそが最強のポータブルスキルだ」という話があった。深く納得している。しかし、働くなかでもうひとつの有力候補に気づいてしまった。
それは、筋肉である。
まず、筋肉はコミュニケーション資本になる。
入社以来、社内では筋肉キャラとして定着しており、おかげで話題に困ったことがない。先日の社内イベントでもそれを実感した。社外の方と交流する機会があったのだが、ほとんどの会話の切り口が筋肉だった。
健康は多くの人の関心ごとであり、年齢や役職を問わず共通の話題になりやすい。フィットネスの話題は、初対面や部署をまたいだ相手とも自然に距離を縮められる。
こうして振り返ってみると、自分から話しかけずとも相手の方から声をかけてもらえる場面が何度もあった。「話しかけてもらえる理由」を持っていることが、実は強みとして機能していたのかもしれない、と最近になって感じている。
ただ、これは筋肉に限った話ではないと思う。「筋肉の人」と認知されればコミュニケーションのハードルが下がるように、趣味でも特技でも何でもいい。キャラクターとして広く認知される属性があると、自分からも相手からも話すきっかけを作りやすくなる。
いわば、自分から話しかけるときの名刺であり、相手から話しかけてもらうための入口でもある。新入社員や異動してきたばかりの人など、「何者か分からない人」の状態からスタートする人にとっては、分かりやすい属性を一枚持っておくことの効果は大きいはずだ。
次に、体力は知的生産の土台であるという観点。
フルタイムで働けば、誰でも普通に疲れる。ここで体力の上限値が高いと、二つの利点がある。
ひとつは週単位の話で、休日に残せるエネルギーが多いこと。疲れ果てて寝るだけの休日と、自学や趣味に使える休日とでは、長期的な成長に大きな差が出る。
もうひとつは一日単位の話で、体力消費による集中力の低減が少ないこと。夕方になっても作業スピードが落ちにくいのは、間違いなく身体のおかげだ(と思い込んでいる)。
頭脳労働は、実は身体が土台になっている。
そして筋肉は、ポータブルスキルの条件を実は全て満たしている。
どんな職種へ転職しても失われない。会社の育成制度と無関係に、完全に自力で積み上げられる。しばらくサボっても再訓練で戻る。さらに言えば、マッドマックスのような世紀末が訪れたとしても、筋力だけは変わらず価値を持ち続けるはずだ。環境への非依存という意味で、これ以上のポータビリティがあるだろうか。
冗談めいているが、半分は本気である。デスクワーカーこそ、体力と健康が集中力と学習効率の土台になる。そして体力づくりは、仕事のためだけでなく健康維持そのものに直結する。長く働き、長く学び続けるための最も確実な投資が筋肉だと思えば、筋トレをやらない理由はない。
まずは週1回、10分程度の軽い筋トレからでも十分だと思う。皆さんもぜひはじめてみてほしい。最近は同僚をジムに連れ出して、筋トレをしながら雑談する時間をつくる計画を立てている。
筋肉は仕事の土台も、人との繋がりも、少しずつ支えてくれている気がしている。