ベイジの日報サイトは2014年から始まり、現在では約350件の記事が公開されている。
ベイジはウェブ制作会社であるため、ディレクター、デザイナー、エンジニアなどのそれぞれの専門職が在籍しており、日報では各専門領域から、技術的な備忘録やツールの使い方、仕事における気づきや考え方、働き方の姿勢などがまとめられている。
技術やツールは移り変わりが早い業界なため、過去の技術的な話やツールに関する記事は今後参考にしにくいが、それぞれの職能の観点から書かれている、考え方や働き方、コミュニケーション術など仕事上のテクニックなどで本質的かつ普遍的な内容のものは2023年の今でも役立つ記事が多く掲載されている。
この記事では、そんなベイジの日報サイトから私の独断と偏見で選んだウェブ制作初学者にオススメする日報を15記事紹介したいと思う。
ベイジの日報で一番読まれている記事。仕事において計画性は必須であり、計画を立てることで時間的制約を管理し、非効率な仕事を防ぐことに言及。予測外の事態への対応やタスクの細分化が鍵となり、継続的な計画習慣が時間の使い方を向上させてくれる。ウェブ制作初学者だけに限らず、すべてのビジネスパーソンに読んでほしい、1本。
気が利くとは、他者の事情や背景を理解し、深く関心を持ってコミュニケーションすること。ビジネスでもプライベートでも、真の興味を持って接することが信頼構築のコツだと指摘している。
仕事は単に待つのではなく、自ら「たたき台」を作成する試みが大事だとする経験を紹介。全てを自分で完璧に仕上げる必要はなく、他職種の仕事をサポートする考え方で、新しい作業領域を見つける方法を提案してくれている。
ディレクターは顧客の要望や質問の背後にある意図や背景を理解することが重要になる。その理由は、意図が明確ならばより適切な回答や提案ができるから。これは社内メンバーへのコミュニケーションにも必要不可欠であり、納得のいくプロジェクト進行のため、積極的なヒアリングが欠かせないことを説く。
ディレクターが提供するフィードバック方法を解説。人とのコミュニケーションの取り方、サイトの見方をリセットする技術、気になった点のピックアップ方法、そして相手に伝えるコツ。高品質なサイト制作のためのフィードバック術を紹介してくれる記事。
効果的なメールの秘訣を紐解く記事。件名の工夫から、相手の心を掴むクッション言葉までたくさんのテクニックを解説。円滑なコミュニケーションへの第一歩をこの記事で学べる。
ウェブデザインの工程には「ベースデザイン」と「デザイン展開」の2つのステップがある。経験値が高いデザイナーはベースデザインのルールからスムーズに展開が可能だが、経験が浅い者は迷うことも。表面的なデザインだけでなく、その背後のルールを理解し、言語化する力を磨くことで、デザイン展開の迷いを解消できると主張している。
デザインフィードバックを適切に取り入れるのは難しい。記事では、フィードバックを正確に理解し、不要な全体調整を避け、印象を変えすぎず、一つ一つの修正を細かく比較する方法を紹介。デザインの方向性を見失わず、客観的視点を持つ重要性を強調している。
デザインをつくる時、場面ごとの最適解によりすぎるあまり、デザインルールが増え、実装やコミュニケーションコストが増大してしまう悩みはないだろうか。そんな悩みは、早期のコンポーネント化やデザインルールの言語化が効果的だと主張する。
ベネフィット(ユーザーにとっての利益)を具体的に訴求するコピーの重要性を伝える記事。商品やサービスの特長ではなく、それによってユーザーが得る恩恵を中心に伝える方法を解説。具体的な例を通して良いコピーの書き方を提示し、ユーザー目線の考え方や具体的な情報提供のポイントも紹介している。
ウェブ制作に関わる者が、実際にBtoBサービスの顧客として体験した際の感想を紹介。ウェブサイトのキャッチコピーの読まれにくさ、情報の伝達の重要性、営業とのコミュニケーションのポイントなど、顧客としての視点での気付きが豊富に語られる。実際の顧客体験は価値が高く、コンテンツを作るライターが体験することを勧めている。
自身のインタビュースタイルを黒柳徹子の「徹子の部屋」に例え、その番組での徹子の一貫した聞き手としての姿勢やコミュニケーション術を分析した記事。ただし、完全に模倣するのではなく、相手に合わせて聞き手のスタイルを変える重要性も説いている。
エンジニアが問題の原因特定・解決する際のコツを紹介。原因特定は、エラーメッセージ確認、デバッグコード、ネット検索を活用。解決情報集めは、正確なインプット重要。環境確認が必要。急ぎすぎず一つずつ原因を特定し、正確な情報を基に解決が効果的だと謳う。
エンジニアが、デザインやUIに客観的な視点で意見を提供できる価値について語る。専門外だからこそ持てるフラットなユーザー視点が、気づきにくい不具合の発見や改善につながる。積極的な意見交換は、高品質なウェブ制作に不可欠と主張している。
「エンジニアはプライベートで学ぶべきか?」この永遠の疑問について、エンジニアとしての視点と企業の立場から考察された記事。会社の役割とエンジニアの責任、そしてキャリアの進行によって変わる「あるべき姿」について深く掘り下げられている。
ベイジの日報では、ここでは紹介しきれない記事がまだまだたくさん掲載されている。ページビュー順、職種ごと、執筆者ごとのアーカイブがあるので、気になった方はぜひ他の記事も覗いてみてほしい。