ベネフィットまで考えた魅力的なコピーの書き方

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デザイナー 塚元 舞賀

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先日、ある案件のランディングページで初めて設計を担当した。

はじめての設計を通していろいろな学びがあったが、特に学びになったのが、「ベネフィットを具体的な言葉で示す」ということだ。今回の学びも踏まえて、ユーザーにとってのベネフィットを考えた魅力的なコピーの書き方をまとめてみようと思う。設計やデザインを行う上でコピーまで考える必要がある人の参考になると嬉しい。

ベネフィットとは

ユーザーがその商品やサービスを利用することによって得られる利益や恩恵のことを指す。メリットに似ているが、メリットはその商品やサービスの特徴や売りになる部分のことで、ベネフィットはそのメリットの先にある恩恵や利益のことを指す。

ベネフィットを考えたコピーの例

他社との差別化を図るうえで重要となってくるベネフィットだが、良い例、悪い例をあげると以下のようになる。

1. 自社製品のカメラを売りたい場合

【悪い例】○○○は業界最軽量
【良い例】○○○は業界最軽量。持ち運びラクラクでいつでもブレずに高画質

悪い例が「軽い」というメリットだけをあげているだけなのに対し、良い例は「軽い」「ブレない」「高画質」というメリットがあり、その先の恩恵として持ち運びが楽なので、いつでも携帯でき、きれいな写真が撮れるというベネフィットの訴求ができている。

2. 自社製品のダイエット食品を売りたい場合

【悪い例】△△△で-5kgも夢じゃない!
【良い例】△△△で-5kg!夏までに水着の似合う素敵な体に

悪い例は痩せることは具体的に訴求できているが、痩せたその先のユーザーに対する利益が書かれていないので説得力に欠ける。良い例は、ダイエット食品を食べることで痩せること、痩せたことで水着が似合うようになるというユーザーの将来的な利益まで訴求できている。

3. 自社の顧客対応システムを導入してほしい場合

【悪い例】×××を使えば迅速な対応が可能!
【良い例】×××を使えば迅速な顧客対応で待ち時間を50%削減!顧客満足度UPに貢献

悪い例は、システムを導入することで、迅速な対応が可能になるというメリットは訴求できているが、その先の利益が書かれていない。しかし、良い例はシステム導入により待ち時間50%削減という具体的な数値に加え、結果的に顧客満足度向上につながるという将来的な利益まで書かれている。

ベネフィットを訴求する上で気をつけるポイント

以下のような点に気を付けるとよい。ポイントは、「ユーザー目線で考えること」「情報は具体的な内容で」という点だ。

  • 相手の立場に立ち、疑問・問題・不安を徹底的に洗い出し、それらを解消できることを示す
  • 対象サービスの市場での立ち位置やメリットを把握し、具体的で説得力のある情報を載せる
  • ユーザーにとって最も欲しい情報を効果的な順番で訴求する

最後に

上記で記載したような具体的な手法とはまた別に、“サービスの良さを伝えたい”という熱量を、そのサービスの営業担当を同じくらい持つことが大切という話を聞いた。設計手法云々はあるものの、そもそもこの考え方を持つことが基本中の基本なのかもしれない。

営業担当と同じ目線で考えようと思うと、おのずと導入事例をはじめとした資料は読みたくなるし、サービスのデモも触りたくなる。自分で見て、触って、体験した情報を手がかりすればより具体性のある「ユーザーに刺さるコピー」は書けるようになってくるのではないか思う。

以上の点を踏まえて、今後はより魅力的なコピーまで提案していきたい。

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