赤は疲れる?緑は疲れない?疲れにくい配色について考えてみた

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デザイナー 塚元 舞賀

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業務アプリケーションのデザインを進めるにあたって、「いかに疲れにくいデザインにできるか?」が重要であるよう思える。

というのも、ウェブサイトであれば1つのサイトを何時間も連続で見ることは少ないが、業務アプリケーションは、数時間、時には1日中操作することが考えられるからだ。

まず、業務アプリケーションにおいて「疲れる」とはどういうものかを考えなければならないが、主に2つの側面があるのではないか。

1.メンタル面の疲れ(操作性の悪さからくるイライラ)
2.フィジカル面の疲れ(特に目の疲れ)

メンタル面での疲れは、設計段階で解決するのがメインかなと思うのでここでは取り上げない。一方でフィジカル面での疲れは、ビジュアル部分のデザインでもケアできそうだ。

目が疲れる原因は様々だろうが、今日は「色」の観点から考えたい。

まず、ベースに使う色として避けるべきは「赤」「緑」「暖色系」の3つ。

赤は一般的にエラーなどの警告色に使う色で、身体への影響として交感神経を優位にし、脳を興奮させる作用があるらしい。結果として疲労につながりやすいので今回は避ける方向で考える。

緑は副交感神経を優位にし、リラックス作用があるなど疲れにくい観点からは良さそうだ。しかし、承認ボタンやOKボタンなどポジティブな反応に使用するため、ボタンだけでなくベースカラーにも使うと区別がつきづらくなるので、避けたほうがベターだ。

オレンジや黄色などの暖色系は長波長光といって目に負担がかかりやすい色らしい(この理由を深堀すると視神経の話までさかのぼる必要がありそうなので割愛)。ちなみに真っ白も光の反射で目に負担がかかるらしい。

あとはこれら以外で目に負担をかけにくい「紫」、「藍」、「青」あたりから配色を選んでいくのだが、今回は与えたい印象もふまえて青系を使っていくのが良さそうだ。

というわけで、いったん配色の方向性はまとめることができた。次に考えるべきは、「どれくらい色を使うか?」だが、色もひとつの『情報』なので、情報過多の観点を踏まえると極力減らすのが良いだろう。

なので、ざっくりテーマとして「色少なめUI」で今回はデザインを進めようかと考えている。

これまでメインでデザインしてきたウェブサイトの配色選びや方向性選びとは、また毛色の違う感じだが、理詰めで決めるのも納得感はあるし悪くはないなと思った。

今後、デザインに着手するので、今回考えたことを忘れないようにしつつ、「使いやすさ」と「疲れにくい」を両立したデザインを作り上げたい。

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