採用コンテンツに求められるのは、内輪ノリではなく会社のリアル

先日、ナレッジベイジで新人クリエイターの対談記事を公開した。

この記事を作る前に、採用サイトのインタビュー記事を20社ほど調査したのだが、その過程で1つ感じたことがあった。

それは、「内輪ノリ」への違和感だ。

様々な社員インタビュー記事を読んでいると、社員名をニックネーム表記にしたり、チャットアプリ風の体裁を採用しているものが見受けられた。これはあくまで個人的な感覚だが、ニックネーム表記やチャットアプリといった、クローズドなイメージがあるものを求職者向けコンテンツで使うと、内輪の空気が出すぎてしまう。

そういったインタビューは、社内の人間関係に安心感を持ってほしくて、社員同士の空気感を意識して露出させているのだと思う。自分たちがそこを本当に魅力的だと思っているのなら、それを強みにして伝えたいという気持ちもよく分かる。

ただ求職者目線で考えると、会社の事業や取組みへの理解が浅い状態で「私たちとっても仲良し!話しやすい雰囲気!キミもここに入れるよ!」と言われても、「いや、いいです…」と腰が引けてしまわないだろうか。

そもそも、いくら人間関係が良好でも、業務中にお互いをニックネームで呼び合う会社はそこまで多くないはず。にも関わらず、記事上でだけあだ名を使うとそこはかとない不自然さが出て、そういった違和感は求職者を警戒させてしまう。

見せ方に関して言えば、短文の応酬が続くチャットアプリ風のフォーマットは、インタビュー記事のようにそこそこボリュームのある文章とあまり相性がよくない。確かに、日常会話に近い空気感を演出できるというメリットはあるが、発言者が頻繁に入れ替わるので続けば続くほど流れを追いづらくなる。加えて、テキストが画面の左右に割り振られるチャットアプリ特有のデザインが視線を揺さぶり、読みにくさを生んでしまう。

求職者は社員同士の仲の良さばかり気にしている訳ではない。

私だったら、入社したらどんな働き方をして、どんな仕事や役割をこなすことになるのか、いろんな材料を元に「そこで働く自分」をイメージしたい。

インタビュー記事はそんなリアルな情報を実際に働く人の声を借りて提供できるコンテンツだ。なのに、仲良し表明にパラメーターを振りすぎると、情報が薄くなるだけじゃなくそこから生まれる内輪ノリや読みにくいフォーマットが求職者そのものを弾き出してしまう。とてももったいない。

なにも、コンテンツを通して社内の雰囲気を伝えようとするな、ということではない。入社してからの流れや働き方、価値観などをメインにして、職場の空気感はそこから読み取ってもらえるような程度に抑えるのが適切だ。

と言いながらも、このバランスは掴みにくく、ブレやすい。私はこれからも社内インタビューの制作を担当していくので、何が良くて、何がダメなのかを経験の中で学びながら、できるだけ外に開かれたコンテンツを作っていきたい。