アプリUI 仕事の進め方
2-5-6. ユーザーテスト
事前に用意したシナリオにもとづき、対象システムを体験してもらいます。オンラインでは画面共有で体験の様子を観察します。ファシリテーターがテストをナビゲートし、体験の中で感じたことを発話してもらい、問題点を洗い出していきます。
被験者3~5名を対象に、事前に設計したシナリオに合わせてアプリケーションを実際に使ってもらい、フィードバックを得ます。かつては対面で行っていましたが、現在はZoomを使ったリモートユーザーテストがほとんどです。実施には以下のサブタスクが発生します。
ユーザーテスト設計
ユーザーテストに向けて、以下を決めていきます。この内容はお客さまとテスト実施前に合意します。
- テストの目的の設定
- テスト対象にすべき機能の決定
- 想定されるユーザーの行動シナリオ・画面フローの設定
- テスト時にユーザーに伝えるべき前提条件やゴールの設定
細かいシナリオ設定が必要になるため、事前にリハーサルをして、設計した手順でスムーズにテストができるかを確認し、内容をブラッシュアップします。
特に複雑なウェブアプリケーションの場合、熟練者向けの操作のショートカット機能が提供されていることも多く、操作手順が複数存在する傾向にあります。事前にアプリケーションの機能を確認し、操作手順のバリエーションを把握しておくことで、テスト実施時に想定外の操作をされても臨機応変に対応できるようにしておきます。
ユーザーテスト実施
ユーザーテストはファシリテーション担当とメモ担当の2名以上で行います。メモはユーザーが口にした事実をそのまま書き留めます。Zoomなどを使う場合、ユーザーの操作画面を共有してもらい、マウスの動きなども観察します。
中にはシステム設計者が想定した操作方法をしていなかったり、Excelなどの外部ツールを駆使して独自の操作方法をしているユーザーもいるため、それらの特徴的な行動がないかは必ず確認します。さらに、その操作方法に至った理由もつど確認し、現状のアプリケーションのどこに問題があるのかを判断するための情報を集めます。
インタビューでは現行アプリケーションの操作方法に関する質問をユーザーから受けることが多いため、必ずお客さまや開発担当者の方も同席していただきます。
ここまではユーザーテストについて、現行アプリケーションに対するリサーチとして行う前提で説明しました。しかし、リニューアル後のUIデザインに改善効果があるか確認するための本格開発前ユーザーテストも有効です。ベイジでは各フェーズでユーザーテストを実施することをおすすめしています。
ユーザーテストの結果は必要に応じて報告書にまとめ納品することもあります。