ウェブ制作 仕事の進め方
6-1. 開発準備
開発フェーズの中で一番初めの工程として存在するのが「開発準備」です。開発のスムーズな進行やプロジェクトに対する最適化のためには入念な準備がかかせません。
開発ブリーフィング
設計フェーズ以前の内容をもとに、エンジニア向けの社内ブリーフィングを行います。【開発ブリーフィングシート】に記述される内容は設計や制作のブリーフィングで用いた情報に加えて、開発上のポイントや注意事項、リスクなどを追記したものです。ブリーフィングの開催は主にディレクターが担当します。
ベイジの開発ではただデザインデータを受け取って実装するのではなく、プロジェクト全体に対する理解やそれによって実現されるクオリティの向上も重視しているため、このようなフェーズを設けています。
プロジェクトの背景やお客さまの求めるもの、お客さまにとって必要なものをしっかり把握することで、より最適な機能や実装を考えることができます。
また、この段階でデザインについてデザイナーよりブリーフィングが開催されることもあります。デザインの意図やルールなどについて認識をすり合わせることで、開発もスムーズに進められ、クオリティの向上にも繋がります。
開発調査
既存サイト環境の調査あるいは技術要件の検証などを行います。特に既存のCMSを流用した改善プロジェクトの場合は、外部サービスを利用できない、PHPのバージョンなどサーバー環境によってCMSをアップデートできないといった技術的な制約が伴う場合があります。開発開始後にこのようなことが発覚すると、新たに対応が発生しスケジュールが遅延したり、既に実装済みの箇所で予期せぬ不具合が発生する懸念があるため、数日かけて入念に調査を行います。
このフェーズで技術的に可能なこと、不可能なことを把握することにより、実際にサイトの機能などについてお客さまと話し合う際により的確な提案ができるようになります。
CMSヒアリング
既存サイトのリニューアルの場合、現状の運用方法や課題を感じている点などについて、運用担当者にヒアリングする場を設けています。CMSの運用は担当者のリテラシーにも依存するため、機能が複雑すぎて使いにくかったり、カスタムできる要素が少なかったりなど、こちらの判断で決定してしまうと運用しにくいCMSになってしまいます。そのため実情をヒアリングした上で要件定義書を作成します。
また、サイトのリニューアルに際して新規でサーバー環境を用意したいなどの要望をいただくこともありますので、そういった際はこの段階で対応方針を協議することがあります。このCMSヒアリングは、ディレクターもしくはエンジニアが担当して進めます。